見出し画像

#6 「文学部の勉強は役に立たない」?

就活の時にちらほら聞いた。
「文学部の勉強って役に立つの?」
「あなたが勉強したことって仕事ではどう活きる?」

先に言っておく。
まず役に立たないなんて絶対そんなことない。

そもそも文学部って「文」っていうくらいだから
文学の勉強してるんですかって言われたら
まあそれは否定しないんだけど。
実際近代文学とか上代文学とかやってるし。

でも文学一本しかやらないわけじゃないです。
私がやっているのは主に日本語。
日本語が現在どう変化しつつあるのかだとか
若者言葉とか現代の日本語をやってます、あと文法。

学科によっては地理的なこともやってるし
(教授曰く学生には鉄オタ多いらしい。楽しそう。)
美術とか芸術的なことを専門にしてる人もいます。
外国語に強い人もいっぱいいます、もちろん文学に強い人も。

だから「文学部」って一口に言っても
いろいろな勉強ができるわけですよ。すごく幅が広い。


じゃあ就活の時にこんな言葉が飛び出した理由は何かと。

いや多分ね?多分よ?

文学部で学ぶ内容が経営、経済学のような商業系の知識とか
理系みたいな直接技能に繋がるようなものじゃないとか
”分かりやすい武器になりにくい” って
そういうことを言いたかったのかなと思う。

実際文学部卒の人はこの分野に就職する、とかの
分かりやすい例ってそんなに無いし。
たまに「文学部ってことは出版社入るの?」とか聞かれるけど
文学に強い人がまんま出版社に入ることはそう無いらしいです。
これ教授論なんだけど。
何なら院卒の理系学生とかが出版社に入ることもあるとか。

(本の中身を深めるにあたって出版社の人も
 ある程度専門知識に明るい必要があるので
理系の本も出版することを見込んで理系の人も取るとのこと)

ついでに私も今内定もらってるのは飲食。
全然勉強したことと関係ないです。

じゃあ本当に「役に立たない」の?
というとそんなことないです。
ここでの学びが役に立つ場面が違うというか。

文学部で勉強した内容って、
例えば研究者みたいにその後専門で突き詰めるわけでないなら
専門分野として社会で強く目立つことはないかもしれない。

でも、文学部で学ぶことってすべて
人間が営んできた生活で生まれた文化 であり、
これまでのどの時代でも人間を確かに豊かにしてきたものです。
文字、言葉、文学、芸術。なんでもそう。

それをまとめる、物語るのが文学部で関わる史料たちで
これらを学ぶことはすなわち
我々が生きている“今”に至るまで辿った文化の道筋を後世につなぐ
大事な役目を担うことなんじゃないだろうかと考えています。

そういった文化がなかったら、もちろん今の我々の生活はないわけで
我々がつなげることで後世にも今の文化が続いたり
これをきっかけに新たな文化が発展したりしていくのだし。

人間の生活の根底にあるものが文学部で学べる事なのかなって思ってます。
だから役に立たないなんてことない。
就活では特別な武器にはなりにくいかもしれないけど、
もっともっと大きい規模で確実に世界を支える学びです。

他の分野の勉強明るくないから反論あればどうぞコメント欄に!!


というかさ、大学で勉強した内容が
就職して働くときに100%活きる前提で話を進められるの
ちょっと納得いかない。
だって、大学って就職のための予備校じゃなくない?

学生として勉学に全力傾けられるラストスパートなんだから
(院進したらまだあるけど)
小学校から高校まで勉強した中で興味が湧いた
もっと知りたいことを掘り下げる学習機関であるはずじゃん。

【学校教育法】
第五十二条 大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。

基準1 大学の目的:文部科学省 (mext.go.jp)

会社で働くうえでどう学びを活かしますか?って質問、
即戦力になる新卒がほしいからっていう意図もあると思うから
企業によって求めるものが違うって前提は理解したうえで
私はこの考えには少し首をかしげるわけです。
これには同意しない人間なわけです。

こういう企業とは多分、性格が違うんだな~と思って
そっと「やっぱやめます」で説明会で離れるのです。

私は思いっきり日本語を学びきって社会に出たいので
活きるものはあまりないかもしれない企業にもアタックいたします。
で、考えの合う企業と会えたらいいなと思ってたという話。

話逸れた。文学部あるまじき。


ということで、就職に不利なんじゃないかと思って
文学部渋ってるそこの高校生。

おいでよ、文学部。楽しいよ。
入って良かったって超思ってます。

好きな勉強しよう。


2024, 6, 7 Fri

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?