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笑顔のフェードアウト

前回のポストで「アパレル」→「飲食業」に転身し、お店開店前の事まで書きましたが、今回から開店してからのことを書いて行きます。

※前回の記事はこちら

開店初日は、ありがたいことに、地元の多くのお客様であふれました。元々、個人の飲食店の少ない地域でしたので、お店を作っているだけで目立ちます。

一番にご来店いただいたお爺様から赤ワインのボトルを頼まれ、提供すると「何だこのぬるいワインは(怒)」と最初から怒鳴れました。幸先が悪過ぎますね。(その後、常温の他に冷やした赤ワインも用意する様になりました)

この後さらなる問題が発生しました・・・

初めて迎えた週末に、

OPENを迎えて初めての週末・・・なんと、メインの男性料理人が「欠勤」・・・

理由は「奥さんとのケンカ・・・」

「・・・ケンカですか?」
それも、出社時間の電話でどうする事も出来ず。

お店には、僕と料理人志望の女性しかいません。彼女から「作り方は何とか分かるのでやります!」との言葉をもらい、料理の提供が遅れても、ひたすら謝り、何とかその日をやり過ごしました。

欠勤した料理人に「ケンカって何だ!初めての週末で予約も入ってるのにどうするんだ!!」って僕は言えませんでした。

アルバイト時代から「料理人」ってなんか怖かったんです。

もちろん、そんな方ばかりでは無いですが、何かあればスグ辞める。スグ怒る。こんなイメージが僕の中には強烈にあって、その時も強く言えませんでした。

OPENしたばかりなのに、料理人が辞めたら営業が出来なくなりますからね。

そんな僕を尻目に、男性料理人はその後も「ケンカ」「体調不良」を理由に欠勤を繰り返しました。

お酒が好きな方だったので、営業後のお店で夜な夜な一緒にお酒を飲む度に「おれの料理で店長(僕の事です)を男にしてやるから!」と言われ「一緒に頑張りましょう!」と楽しく飲んだ次の日・・・

欠勤・・・

そんな繰り返し。

そんな中、料理人志望の女性は文句一つも言わず、一人で仕込みから営業までこなしてくれていました。物怖じしない姿は感動すらしました。

彼女も本音は色々とあったと思います。料理の修行をして来た訳でも無いのに、出していたメニューは本格的なイタリアンでした。

「一人でどうすんだよ!」って不安を抱えていたでしょうし、男性料理人に何も言えない僕自身に対しても、「ちゃんとしろよ!」って言いたかったと思います。沢山の我慢をさせてしまいましたが、僕やお店を支えてくれた事に、今でも感謝しています。

やることなすこと

肝心の売上は8月のOPEN以降、年末に盛り返したものの、お店を健全に営業していけるような状況では無く、厳しい状態が続いていました。

翌年からみんなに無理を言って、ランチ営業を始めたり、

アメブロでblog始めたり。
(店長の◯◯日記とかいうクソつまらないbolgを書いていました・・・)

ところが、何をやっても効果ない。(blogに関しては当たり前・・・)

お客さんの来ないお店って「地獄」なんです。

ホールはウロウロしながら、汚れてもいない窓を拭く。

キッチンは腕組んでボーっと立ってたり、パイプ椅子に座ってタバコプカプカ。

それでもお客さんは来ていただけなく、経営も厳しい・・・。

当時のことを思い出すだけで、逆流性胃腸炎が再発します。
(この時から、過度にストレス溜まると「オエー!!」ってなります。今でも治っていません(笑)最近はそれにプラスして扁桃腺が腫れて発熱するというのがお決まりのパターン)

こんな状況から体調だけでなく、外面的にも影響が出始めてしまいます。

空間が纏う空気感・人が纏う空気感

お店に限らず「空気感」てスゴク重要ですよね。場所や人から発する空気を気にしない人も、もらいやすい人も。
(僕はこの嫌な空気をお店でもらい過ぎて、だいぶ強くなりましたけど。)

前回のポストで「飲食は人」という言葉を書いたのですが、僕は「自分から発する空気感」にもの凄く苦しめられました。

売上の低迷=僕自身が発するオーラ

みたいに考えていて、「素の自分」と「なろうとする自分」の間でもがき苦しみ続けていました。

個人経営の繁盛しているお店って、「ミシュランよりの高級店」だったり、焼肉・ラーメン・ピザの様に「特化した商品を売り出す店」だったり、昔ながらの「THE居酒屋(最初にまず煮込みを頼んでしまう様なお店)」みたいな所が多いと気がします。

しかし、僕のお店は「普通のお店」だったので、「僕」という存在を売り出すしか無いと思っていたのです。

普段の僕は感情が乏しいので、どんな自分になれば良いか必死に模索していましたが、あるお店を見つけ(名称等はすぐに分かってしまうのでここでは書きません)、話術に自信の無かった僕は「笑顔」と「元気」をテーマに売り出そうと考えました。

「笑顔のフェードアウト」

でも、やりきる力が無いと嘘はバレます。

無理矢理作った笑顔はバレる。

もともと、素の自分は元気で笑顔溢れる人間じゃないし、マイペースで、どんな人とでも無言の空間とか全然苦にならない。(気にしてない)

だから、会話を続ける努力とかスゴイ苦手。基本的には自分勝手です。

どんなにお客様の前で笑っていても、振り返った瞬間に素に戻る時があります。

だから笑顔を「常」にしておかないと、「素」の自分の空気が必ず出るのです。

まさに、笑顔のフェードアウト。フェードアウトしていく音と同じで、徐々に笑顔が消えていく。

そんなことを繰り返しつつ、変われない自分が嫌で、家族や奥さんにネガティブオーラ全開で回りに当たり散らしたりもしました。

今思えば当たり前の事ですが、「心の根っこ」に「笑顔」や「元気」の無い僕には到底出来る事ではありませんでした。

それでも、毎日毎日毎日漁っていたのです。「今日も絶好調!お客様に最高の笑顔と元気を!!」というblogやyoutubeを。

それを見る度に「こうなりたい!→僕には出来ない・・・」のループ。繰り返す度に、笑顔は減っていき、人に当たり、自分の中に閉じこもる。そうやって、僕はどんどん孤立した存在になっていきました。

「なりたい自分」を捨てる

今の僕は「無理に笑いません」それが自分だから。

自分を受け入れて、仕事や家庭で悩んだり楽しんだり苦しんだり。

でも、毎日を楽しく生きています。

こんな僕にでも出来る事はある。僕だから出来る事がある。

「なりたい自分」を捨てる事で、今僕は人生を生きています。

こんなふうな考え方は今になって出来るようになりましたが、あの頃はズーーーっと虚像の自分を追いかけ続けていました。

さらなる急展開が僕を襲う…

お店の経営状態もありましたが、男性料理人の勤怠があまりに悪い為、結局お店を辞めていただく事になりました。

その後、1人で頑張ってくれていた女性も、料理の勉強をしたいとお店に来ていただいたのに、教わる人が居なくなってしまった状況で「お店をやめます」と言われ、いよいよ料理人がゼロになります。

そして、女性に退社まで少しの猶予をもらい、包丁すら握った事の無い僕が厨房へ入る事になりました。

「素人が料理を作る」また次回に書きますね。

他にもこんな記事書いてます。

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