言語的弱者に寄り添うリーダーシップ
先日、劇作家の平田オリザさんの著書
「わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か」
を読んだ。
その中で、印象的な文章があった。
要約すると、
「通常、リーダーシップとは、人を説得できる、人びとを力強く引っ張っていく能力を指す。しかし、私は、これからの時代に必要なもうひとつのリーダーシップは、弱者のコンテクストを理解する能力だろうと考えている。
社会的弱者は、何らかの理由で、理路整然と気持ちを伝えることができないケースが多い。いや、理路整然と伝えられる立場にあるなら、その人は、たいていの場合、もはや社会的弱者ではない。
社会的弱者と言語的弱者は、ほぼ等しい。私は、論理的に喋る能力を身につけるよりも、論理的に喋れない立場の人びとの気持ちを汲み取れる人間になってもらいたいと願っている。」
とある。
言葉で伝える、言葉で表現する、言葉で意思表示する、ということをできる人はそれでいい。
ただ、それができない人は、自身のコミュニケーションに断絶を感じたり、絶望を感じたりもする。
それでもなんとか表現しようとする意思がある人は、それでもまだいい。
そういう表現の場を持たない人、そういう表現すらできない人、そういう表現をしても社会から排除される人、社会から無視される人、社会からこぼれ落ちる人、そういう人の声や気持ちに耳を傾け、掬い上げていくこと。
そこに使命感を感じること。
それがアナキストとしての役割かもしれない。
ということをラジオで話しました。
https://youtu.be/LX_a_NGo8MU
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