今日も「ハイ!満貫!!」 〜認知症の始まった父と麻雀三昧の日々〜 #8 病気なんです~アッハッハ!
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父の傍若無人なふるまいには、腹が立つこともよくある。
日によってその度合いは異なるが、自分に余裕がない時なのか、無性に腹が立ってしまうときがある。
そんなときは、
「病気なんです~アッハッハ! 病気なんです~イッヒッヒ! 病気なんです~ウッフッフ!~のエッヘッヘ~のオッホッホ! 」
というオリジナルの唄をつくって、呪文のように唄うことにした。
父宅から帰るときに空を見上げながら何度唄ったかな。怒りのモードを冷ますのにけっこう役に立ったように思う。
歳だし、認知症だし、仕方がない、と思っても、「なんでこれができないの」「どうしてこういうこと言うのかな」「なんで」「どうして」という感情がどうしても出てきてしまう。
半袖で汗ばむほど暖房がきいた部屋なのに、寒いといってコートを着ている。
そしてコートを着たまま、ラーメンを食べる、コートにこぼす・・・。ああーっ、コートの洗濯は大変なのよー!!!と思わず大声になってしまう。
床にも食べこぼしがそこかしこに。。
「子ども笑うな、来た道だから。年寄り笑うな、行く道だから」とは、誰の言葉か知らないがよく言ったものだ。。戦争にも行き、子どもを育てて、社会にもそれなりに貢献してきたひとりの大人が、こんなふうに、、、。
ちょっと言葉が見つからない。
いつだったか父が「老いさらばえて」と言ったことがあった。
確か、認知症になった最初の頃というか、健全だった最後の頃というか、ちょうどその境目の頃だったように思う。
お恥ずかしながら、その時はじめて「老いさらばえて」という言葉を知った。その言葉をぼつりと吐き出したときの父の姿が今も忘れられない。
そういえば、認知症か否かの見極めで、本人の自覚が判断材料になるのではないかと思う。
「ボケたなあ」と自覚があるうちはまだ認知症ではない。
「まだまだボケていませんよ~」といったら、認知症の可能性が高い。というのは本当だと実感している。
ライター:ゆき子 さん (pastelDコミュニティメンバー)
93歳になる父の介護をしています。
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