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運動療法×マインドフルネスにより膝痛を改善する

▼ 文献情報 と 抄録和訳

膝蓋大腿部痛を抱える女性レクリエーションランナーの運動療法にマインドフルネスの実践を加える:無作為化対照試験

S Bagheri, A Naderi, S Mirali, et al.: Adding Mindfulness Practice to Exercise Therapy for Female Recreational Runners With Patellofemoral Pain: A Randomized Controlled Trial. J Athl Train (IF: 2.416; Q1). 2021 Aug 1;56(8):902-911.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

[背景] 疼痛管理における心理的要素の役割が強調されている現在のモデルを考慮すると、マインドフルネスの実践は疼痛管理において有効な戦略であると考えられる。

[目的] 運動療法に8週間のマインドフルネスプログラムを追加することが、膝蓋大腿部痛(PFP)を有する女性レクリエーションランナーの痛みの重症度、膝の機能、動作に対する恐怖、痛みの破局感に及ぼす影響を検討する。

[対象者] PFPの女性ランナー30名(年齢=28.3±7.08歳)を、エクササイズ群とマインドフルネス・エクササイズ群に無作為に割り付けた。

[介入方法] 運動のみのグループは、怪我に関連した症状をコントロールするためにトレーニングを修正するプロトコル(18週間、3セッション/週)に従った。マインドフルネス・エクササイズ群は、運動プロトコルに加えて、8週間のマインドフルネスの介入を受けた。マインドフルネスプログラムは、エクササイズプログラムの4週間前に開始されたため、介入の最初の4週間は2つのプログラムが重なっていた。

[主なアウトカム] 普段の痛み、足踏み時の痛み、ランニング時の痛みを、視覚的アナログスケールを用いて評価した。膝の機能制限は、Knee Outcome Surveyを用いて評価した。運動恐怖症はTampa Scale for Kinesiophobia、疼痛悲惨化はPain Catastrophizing Scale、対処戦略はCoping Strategies Questionnaireを用いて測定した。これらの結果は、ベースライン時、9週目、18週後に評価した。

[結果] ランニング時の痛み、ステップ時の痛み、膝の機能制限は、マインドフルネス・エクササイズ群の方が、エクササイズのみの群よりも小さかった(P値<0.05)。マインドフルネス・エクササイズ群は、エクササイズのみの群よりも治療効果の認知度が高かった(P < 0.05)。マインドフルネス・エクササイズの参加者は、エクササイズのみの参加者に比べて、痛みの破局が少なく、対処法もより好ましいものであった(P値<0.05)。

[結論] マインドフルネスの実践は、レクリエーション女性ランナーのPFPのリハビリテーションにおいて、運動療法の効果的な補助手段となり得る。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

マインドフルネス×運動療法は、今後、疼痛治療のスタンダードになるかもしれない。今後の課題は、マインドフルネスをいかに”簡便に”実践していくか、だろう。運動療法と併用しやすいマインドフルネスの方法論がよりクリアになっていくと面白い。

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