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(小記事)シンプルに考えよう

 こんにちは、クリスマス寒波がナンボのもんじゃいのパスタライオンです。クリスマスだからなんだっつぅ話です。なんなんだよ。
 今までマガジンにまとめている、ローカル線見直しの話題についてですが12月に入ってからも各線区で自治体の動きは活発です。みんな残したいとは思ってるんですね、「JRが負担してくれる分には」というカッコ付ではあるんでしょうけど。

 今回は東北、津軽線のニュースを題材に私のマガジンで取り上げているローカル線の見直しについてつらつら書いていきます。路線の見直しに関わった実務者としての感想です。
ソースや詳細は省くつもりなのでご了承ください。

JR東日本の久保 公人きみと ・盛岡支社長は19日の定例記者会見で、廃止も含めて、県や沿線自治体と年明けから協議する方針を明らかにした。
(中略)
 同区間は、線路を支える盛り土の流出や、線路への土砂流入など計13か所で被災。一方、1日の利用者は100人程度で、昨年度は同区間とほぼ重なる中小国―三厩間の赤字が5億8700万円に達していた。復旧工事を行えば、少なくとも6億円程度かかる見通しで、久保支社長は「復旧にこだわらず、沿線自治体と協議したい」と語った。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221219-OYT1T50196/

 シンプルに考えて、基本的に今あるものが壊れたらお終いだよって感じですよね。だって直すお金を投下しても、回収できないどころか直すことによってさらにお金がズンドコ消えていくんですから。
 それは事業じゃない、少なくとも民間企業の事業ではないってことです。どんな企業であっても不採算部門・事業を抱えることはありますが、その部門・事業の潜在価値が高く、効率化等をすることで将来の利益を見込めるものなどは現在不採算であったとしても我慢して投資を続ける、部門を抱え事業を続けるという選択肢は市場合理性の文脈の中で自然と解釈できます。

 ただし、将来に亘って収益が見込めるどころか赤字が拡大する一方であるという場合に、その不採算部門・事業をカットすることに誰が「待った!」をかける権利があるのでしょうか。このシンプルな事実をまず受け止めること、それが鉄道を廃止してほしくないと思っている自治体、利用者、愛好家…などの方には必要なことです。そのうえでJRがまず協議・相談をしたいと申し出ていることがどういうことなのか、きちんと受け止めができていれば遣う言葉も変わってくるはずです。
 路線の見直しに関わった実務者としては、自治体等のコメントの言葉ひとつひとつについて「なぜその言葉を遣うのか」のウラを探るのも仕事の内なので、言葉の過不足が積み重なると不幸な結果が待っていることを私は知っています。

 同じ内容を報じている記事をもうひとつ紹介します。こちらではJRの提案について、自治体や県の受け止め方、リアクションまで報じられています。

青森県の三村申吾知事はコメントを発表。「県は鉄路の維持が必要との立場で協議に参加し、JRの考え方や津軽線の利用実態などを確認していくとともに地域住民の交通を確保していくという観点から最善の方策を検討する」と、JR協議に応じる姿勢を示しました。

https://tabiris.com/archives/tsugarusen202212/

 素晴らしいコメントだと思います。過不足なく誰も傷付けずに立場が主張でき、なおかつJR側の譲歩を引き出す余地を残しています。
 こういうコメントが増えてくれないものかな…としみじみ思ったので今回この記事を書きました。


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