#266 学級を壊すキラーワード
学級崩壊の原因は?
公立の小学校では、子どもたちは「ある地域に住んでいる」だけで、一つの学級にまとめられています。そんな子どもたちがまとまり、協働しながら日々の生活を送るのが学校生活です。
そんな学級のまとまりを壊す原因は何か?
個人的な意見になってしまいますが、ズバリ
「人間関係」
にあると思います。
学級において、互いを「信じられない」状態になると、簡単に学級は崩壊します。
相手を信じられないと、互いの協力は生まれません。
さらに、互いに注意し合うような抑制もなくなります。
最後は、互いの存在を蔑ろにする自分中心の子どもが幅を利かせるようになってしまいます。
こうなると、教師の言葉は届きません。
学級崩壊の完成です。
学級を壊すキラーワード
学級崩壊の小さな芽がいくつかあります。その一つが、キラーワードの多用です。学級内で子どもたちが使っているようだと黄色信号です。もし、教師の耳に何度も聞こえてくるようだとかなり危険な状態だと思います。
では、そのキラーワードとは何か?
「みんな」
です。
この「みんな」をマイナスな場面、マイナスな目的で使っている子がいると、学級は崩壊への道を進んでいきます。
①マイナスな評価に「みんな」を使う
ある子が、友達に親切のつもりで、こんなことを伝えます。
「みんなが、○○のこと悪く言っていたよ。」
ここで出てくる「みんな」って、学級全員ではないですよね。女子グループの全員でもない。数人が言っていたとして、それを「みんな」と表現してしまう。言われた方は、「みんな」を真に受けます。本当に「全員」が私のことを悪く言っているんだと感じることでしょう。
②マイナスな目的のために「みんな」を使う
ある子が注意されました。すると、
「みんなもやっていますよ。なんで、僕だけ注意されるんですか。」
これも先ほどの例と同じです。「みんな」とは全員のことではありません。そもそも、みんながやっていたとしても、君がやったことに対しての注意はなくなりません。
マイナス「みんな」を耳にしたら
子どもたちは一人一人違う存在として、大事にしたいものです。そのためには、マイナスな使われ方に無関係な子を巻き込まれないようにしましょう。
人は見えないものに不安を感じやすいものです。そんな訳がないと思っていても、「みんな」と言われると、「そうなのかもしれない。」と思ってしまうものです。
もし、あなたが、子どもの誤った「みんな」を耳にしたらどうしますか?
僕は、すぐに「確認してもいいかな?そのみんなって誰のこと?」と質問します。そして、個別指導の後は、チャンスとばかりに、学級全体で「みんな」の使い方について考えます。
・不用意に「みんな」を使うことで、人を傷つけるかもしれない。
・誤魔化しや逃げのために「みんな」を使ってしまうことはないか?
子どもたちは、これまで当たり前に使っていた「みんな」という言葉について、考えるはずです。
信頼や信用は「言葉」=「キラーワード」によって簡単に壊せます。
だからこそ、「言葉に向き合う場を設けること」が教師の役割だと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?