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#181 「経験」とは「体験」+「学び」である

子どもたちに「多くの経験」を積ませたい。「様々な経験」を積ませたい。
そう願う先生は多いのではないか。なぜ経験を積ませたいのか。経験から何かしら学びを得て欲しいからだ。ということで、あれやこれやと授業や行事の計画を立てる。しかし、子どもにとって、「体験」で留まり、「経験」とは呼べないものになっていることがある。

「経験」とは実際に見たり行ったりするなどの行動だけでなく、そこから得た学びや知識のことまで表す。 一方、「体験」は行動したことそのものを表す。つまり、同じ事をただやっているのは「体験」であり、そこから「学び」「気付き」を得ることが「経験」となる。

よく偉人の口から「何事も経験です。」といった類の言葉を出てくる。多くの人が同じ「体験」をしている。一見、無意味に思える「体験」に価値を見出せたときに「経験」となる。あの頃は気付かなかったが、今になってあの経験が生きていると気付いたから、言える言葉だ。きっと、「体験」を「経験」に高めることが得意なのだろう。

さて、学校に話を戻そう。
子どもたちのためにあれやこれやと用意した「体験」の場。この「体験」自体に価値はない。子ども自身が「体験」から「学び」や「気付き」を得た時に価値が発生する。僕ら教師が目指すのは「経験」だ。そこに「学び」が生まれて欲しいと思っている。うまくいかない授業に対して「活動あって学びなし」という言葉があるくらいだ。

では、どうしたら子どもに「学び」「気付き」が生まれるのだろう。

僕は2つの手段が有効だと思っている。

①振り返り


子どもは活動が大好きだ。夢中で取り組んだ後に、振り返りの場を設ける。初めは、何を振り返っていいのか分からない子も多い。「困ったことはなかった?」「なんで上手にできたの?」「自分と違う考えの人いた?」「次にやりたいことはない?」と質問しながら、振り返りの観点を与えていく。繰り返すことで、子ども自身で振り返りができるようになる。同じ体験をしても、振り返りを見ると「経験」にできた子とそうでない子がよくわかる。

②価値づけ

子ども自身は、何気なくやっていることがある。当たり前にやっていることもある。そこで、子どもの体験から「学び」につながるところを価値づけてあげる。「どうしてうまくいったの?」「○○さんのやっているのを真似したの。」「そうか、友達のやっていることをよく見たから、うまくいったんだね。」結果につながった手段に価値付けしてあげる。


経験は一人一人異なったものになる。なぜなら、「学び」「気付き」はその子特有のものだからだ

ぜひ、「体験」の後には「振り返り」の場を設けて欲しい。何に気付き、何を学んだのか。振り返りを通した獲得した「学び」によって「経験」は積み上がる。
 
 

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