#270 その問題行動、どうする?
頭を悩ます問題行動
学級において「頭を悩ますベスト3」に必ず入るのが「問題行動」です。
学級生活では、ある程度の規律が求められます。そこで問題行動が起こると、全体の活動を中断せざる得ない場合があります。
授業中に席を立ち、友達にイタズラを始める。
→全員の教育を受ける権利を守るために指導しなければ。
教室から飛び出す
→その子の安全を確保するために追いかけてなければ。一方で授業はどうする?
問題行動の目的
問題行動は、残念ながら起きます。様々な子どもたちが一つの部屋に集められ、一定のルールを課せられるのですから、そこに適応できない子がいて当然です。
教師としては、その子の問題行動に向き合う必要があります。
人は4つの目的のために行動すると言われています。
つまり、どんな問題行動にも目的があるということです。
・注目・・・注目を集めるために大声出す
・獲得・・・おもちゃが欲しいから大泣きする
・逃避・・・やりたくないから仮病をつかう
・感覚探求・・・爪を噛む、自傷行為
その子なりに目的があって行動しているのです。それが許されない環境にいるので、問題行動となっているといわけです。
目的達成のルートを変える
では、どうやって問題行動をやめさせればいいのでしょうか。
目的のために行動しているので、その目的を別の方法(行動)で達成できるようにしてあげればいいのです。
・注目・・・大声を出さなくても注目してもらえる行動を教える
・獲得・・・泣かなくても、おもちゃじゃなくても満足できるものを得る経験を積む
・逃避・・・逃げたくなる理由を解消してあげる、逃げたくなる対象の見方を変えてあげる
・感覚探求・・・代わりの行動に置き換える
授業で活躍する場を設けることで、注目してもらう経験を積んでいけば、教室では、どうすれば注目してもらえるのかを学習できます。
モノを獲得することで得られる満足感をモノではなく、友達からの承認などに置き換え満足できるようにできます。
誰でも嫌なことはある。でも経験することで新しい発見があるかも、新しい楽しみ方ができるかも、など周りの子どもの声を生かす。そして、友達と一緒にやってみる。逃避の原因となっている嫌だとイメージを更新してあげればいいのです。
入学前に誤ったやり方を身に付けてしまう(誤学習)ことは多々あります。それを時間をかけて、学び直す場が学校であり、学級です。
教師の目的は?
問題行動への指導は大変な労力、時間、精神を使います。
でも、これまでの短い人生で正しいと信じている行動を、「問題」とされてしまっている子どもは、とてもつらい状況にいます。
彼ら、彼女らが、目的を達成するために行動した時、周りに認められるように手助けできるのが、僕ら教師です。
やっぱり、悲しみ、怒り、不満の顔が「笑顔」に変わった瞬間は、教師冥利に尽きますよね。
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