繫殖引退犬パッセとの出会い
誤解を恐れずにいうと、私はチワワが、特に舌チロのチワワが苦手でした
その昔、CMで目をウルウルさせたチワワが有名になりました
ウルウルで飛び出しそうなおめめ
そして丸いおでこ
守ってくだしゃいと言いたげな小さな体
なんだかあざとくてズルいし、マズルの長い犬の方が犬らしくていい、と思っていました
なんという偏見
自分でも恥ずかしい・・・
でも、保護団体様のインスタグラムを毎日眺めていた私の目に飛び込んできて離さなかったのは、私が一番苦手な舌チロのチワワ、それがパッセでした
パッセって名前かぁ、珍しいなぁ、ゲームの技の名前の略称もパッセなんだよね〜、と思いながら、インスタグラムにアップされているパッセの写真を探す私
なんともかわいい伏せポーズで写る、小さくて、目の大きな子
それまでは、チワワをあんまりかわいいと思っていなかったのに、
自分でもわからないですが
パッセに会ってみたい、と思いました
そのことを同棲中の彼氏に伝えると、
「そんなに気になるなら仕事終わりに会いに行ってきたら?」
、と言われ、仕事帰りにパッセが保護されているところへ一人で訪ねました
18時頃に入店、残り2時間で閉店してしまう
急いでパッセと触れ合いたいと思いながらも、パッセはすでに他の人のお膝に抱っこされていたので、触れ合うことができず、他のかわいい子達と戯れ1時間30分が経過
どうしよう、、あと30分しかない・・・
時間がないと焦っていると、パッセを抱っこしていた人が帰られたので、お客さんは私を含めて残り3人となった
すると、あいている膝を求めて、パッセが私の元へやってきたのです
ただの偶然、1/3の確率、膝であれば、パッセは誰でもよかったのかもしれない
私は引き取る保護犬を1億パーセント、最後の瞬間まで愛する、と決めていたので、私自身もすごくいい意味で、どの子でもよかったんです
でも、いろんな偶然が重なったのでしょう
パッセが私の元に来てくれて、20分くらい抱っこしていたら、
あぁ、この子かもしれない、と思ったのです
気が付いたら「この子を引き取りたいと考えています」とスタッフの方に伝えていました
もう閉店時間を回りそうだし、彼氏に相談もしていないのに、引き取るためにはどうしたらよいかを伺ってから帰宅
彼氏に相談し、翌日、パッセの6歳のお誕生日だったので、お祝いと、彼氏との相性チェックも兼ねて、パッセに会いに行きました
彼氏はワンちゃんホイホイ人間(笑)なので、パッセともうまくやれそうだと判断
この日は時間もあったので、改めてお迎えしたいことを、スタッフの方に伝え、パッセの既往症についても、お話を伺いました
パッセの場合、両膝のパテラ、そして繁殖引退犬だからかと思いますが、乳腺にいくつかしこりがみられました
そのしこりを手術で取り出し、検査機関に送って、良性もしくは悪性、つまりガンどうかを調べるのです
50パーセントの確率で、ガンかもしれない子を引き取る
見た目もかわいく、お膝が大好きなパッセには、何度か他の方からもお声がかかっていたそうですが、ガンかもしれない、ということで、恐らく引き取り手がつかなったのではないかと推測されます
皆様ならどう思うかな
私は、「ガンかもしれないんだー、じゃあ治療費を稼がねばならんなあ」
と、ダメかもしれませんが、風邪ひいてるんだー、と同じ感覚ぐらいにしか感じませんでした
なぜなら保護犬は、精神的にも身体的にも、何かを抱えていることが多いと思っていたので、そこを理由に引き下がるなんて思考はありませんでした
ですが帰宅後、彼氏は、
「パッセを引き取ることは賛成だけど、もしガンで、すぐ天命を全うすることになれば、あいむっ(=私)のメンタルは大丈夫なのか」
と、心配してくれました
今でも実家で飼っていた犬の命日に、共同墓地に行って手を合わせるたび、子供のように、人目も気にせず、わあわあ声を上げて泣く私、その背中をさすってくれる彼氏
心配になるのも無理はない
でも私はこう答えました
「まぁ、、私のメンタルは絶対に確実に終わるけど、
もしガンであるなら、なおさら引き取りたい。
その時が来た時に、この子に家族がいないなんてかわいそうだ。
最後の瞬間まで、家族に見守られながら、
産まれてきてから、とても苦しくツライ犬生だったけど、
この数か月だけは楽しかった
と、思ってもらいながら、天国に送り出したい」と
そしてまた翌日、引き取るための必要書類を持参し、パッセはわが家の一員となりました
ふふふ、お分かりだろうか
私は3日間連続でパッセの元に通うという、なかなかの熱意(?)を持って、パッセを我が家族として迎え入れたのです
とてもかわいい、いとしい、初めての保護犬、初めてのチワワ
それがパッセなんです
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