東京メトロ東西線 改良工事に伴うイレギュラー運転 ～鉄道オタクとの上手な付き合い方～
お久し振りでございます。隣の芝生です。
今回は就活を題材にした連載記事ではなく、単発のレポート記事になります。レポートと言っても大した物ではないですが。
私自身は最近そこまで鉄道趣味への興味はないんですが、今回に関しては滅多に見られる物ではない上に、たまたま東西線を使う用事があったので乗ってきました。カメラが壊れているので、今回はスマホでお手軽撮影です。
鉄道ファンではない方でも、ある程度珍しさや一大工事であることが伝わるように心掛けますので、どうぞ最後までお付き合いください。
■工事の概要
今回の大規模工事の舞台は、東京メトロ東西線の南砂町駅。同路線はラッシュ時に慢性的な混雑に悩まされており、特に朝の上り電車はとにかく混みます。その上、詰まるので遅いと来た。
これを少しでも解消するべく、千葉県から都内に入って数駅のところにある南砂町駅のホームを増設することになりました。これが今回の大規模運休を伴った工事の概要です。
なぜホームを増やすと遅延が少なくなるのでしょうか。従来のスタイルでは、先発の混雑した電車が仮に南砂町駅で乗降中だと、次の電車は頑張って詰めても西葛西・南砂町間に置いておくことしかできなかったのです。既にお気付きの方も多いと思いますが、ホームを増設することで、先発の出発を待たずとも、次発を南砂町駅に滞りなく侵入させることで、列車の無駄な詰まりを削減できるわけです。
■いざ、実地に赴かん
さて、本題に入りましょう。今回の工事は南砂町駅の一駅なので、その東西にある西葛西駅・東陽町駅で分断だけすればいいじゃないか、と思われる方もいるとは思いますが、実際そうは行きません。何も知らない一般利用者から見れば、結構面倒くさい分断方法が採用されました。オタク的な見方をすれば、折り返し設備と線路キャパの問題や、遅延や突発運休などの有事対応のリスク管理と推察されます。
＜工事とは関係のない東側区間＞
・東葉高速線と直通運転打ち切り（西船橋分断・15分間隔）
・東西線東側区間は葛西で一旦打ち切り（葛西分断・15分間隔）
・葛西～西葛西間は1本がピストン輸送（西葛西分断・15分間隔）
＜工事区間＞
・西葛西～東陽町の工事区間は代行バス（大量）
＜工事とは関係のない西側区間＞
・中野～茅場町はほぼ通常通りの本数（5分間隔・茅場町の壁）
・茅場町～東陽町は10分間隔
こんな感じでした。こんなんもう訳わからないですよね。
で、これから皆様にはオタクの目線に立って貰う訳（勝手すぎる）ですが、やっぱ趣味人たるもの珍しい物が撮りたくなるじゃないですか。普段の東西線で一日張り込んでいれば見られる行き先（東葉高速線・JR線は省略）を下にお示しするので、今回の運休区間と照らし合わせて見てください。
普段から定期で運転されている東西線内の行き先は、上下線合わせて…
「中野」「九段下」「東陽町」「妙典」「西船橋」のみです。
もうお分かり頂けましたね。答え合わせのお時間です。
まずは千葉県側の東西線の始発駅 西船橋へ。いきなり定期運行がない葛西行きがお出迎え。葛西は乗降できるホームと、快速が追い越しで使うホームの無い通過線が上下線1本ずつ、計4線ある駅であり、有事の折り返しにうってつけです。
自分が使った「葛西行き」は液晶がロゴのみの掲示でしたが、逆方面の「葛西始発」はきちんと出していました。路線表示が葛西で千切れてるのは新鮮です。
あたかも東葉高速線の方が路線長が長い主要路線に見える表示。津田沼は支線かな?
★葛西駅の様子
手前が葛西・西葛西ピストン
葛西駅に到達すると、お目当ての西葛西行きがスタンバイしていました。しかし、行き先表示は無表示。実は「西葛西行きの表示は出ません」と、メトロ公式から事前に告知がありました。
事前に行き先表示が出ないことは知っていたので、そこまでガッカリ感は無かったですけど、やっぱちょっと… 撮れ高欲しかったのはありますネ（本音）。
しかし思わぬところに撮れ高が。なんと車内LCDは対応していました。平時は折り返し設備すら無い駅（今回も行って来いの単線折り返し）なので、使う機会が皆無のはずなのに、きちんと出せるとは恐れ入った。
サイン類は代行バスも含めて「中野方面」とかやるのだと勝手に思っていましたが、厳密性を重視したのか、その日の電車の行き先が書かれていました。
★西葛西にて代行バスへ
そう言えば、最近は山本山のCM見ないですね（唐突）。西葛西も同じ構造の単語です。葛飾エリアより西だから「葛西」なのに、そっからさらに西だから「西葛西」という。おまけに所在地は江戸川区というややこしさよ。
ここから徒歩数分の場所から出ている代行バスに乗ります。代行バスはいろいろな会社から応援が出ており、自分が確認できただけでも、比較的地元の都営・京成・東武のみならず、JRバス関東（土浦?）・東急・国際興業なども運用に入っていました。
悪天候で外が暗かったこともあり、バスの写真は割愛させて頂きます。東陽町までの所要時間はおよそ20分程度。電車よりもだいぶ掛かりました。
★東陽町から再度電車に乗る
一時的に10分間隔になっている東陽町から再度東西線に乗車。しばらく乗ってから降りると、茅場町行きの表示に気付きます。特に運行本数などは調べて出なかった（何なら当日工事だということをすっかり忘れていた）ので、茅場町行きの表示を見たときはテンション上がりましたね。
自分はフリーパスを持っていたので、メトロ線内であればどう乗っても自由です。試しに乗ってみましょう。
先述の「西葛西」とは異なり、きちんと「茅場町」表示を出した状態で走ってました。定期での設定は当然ありません。
しばらく駅で突っ立っていると、東陽町行きと半々で出ているような感じでした。配線図を調べてみたところ、茅場町駅の都心寄り側に折り返し用の渡り線があるみたいです。ただ、茅場町を越えた途端に、駅の表示に謎の「回送」が定期的に挟まっていたので、ひょっとすると茅場町行きがお客を降ろした後、東陽町まで回送で走らせていたかも知れません。
東葉高速車は直通打ち切り時に、東西線の営業線路上から全て撤収していたようですが、JR車は普通に"西線"で走ってたみたいなので、運の良い方はJR車の茅場町行きも見られたようです。よかったね。
実地調査レポートはこれにて終了です。ここからは、今回のメトロの行動から、鉄オタとの上手い付き合い方…というか意図が見えてきたような気がするので、所感をつらつらと喋ります。個人の意見なので、この文言の読みがこうだと決める物ではありません。
■メトロ流 オタクとの上手な付き合い方
なかなかお目に掛かれません。
先ほど「西葛西表示は出ない」というリリースがあったと軽く触れましたが、今回のプレスリリースには、他ジャンルではあまり見かけない、「駅構内等での撮影に関するご協力のお願い」なる項目が設けられていました。
内容を端的に要約すると、基礎的なルール面はさることながら、沿道撮影の全面禁止、さらには駅での撮影禁止区域の設定や、場合によっては新規に撮影禁止エリアの設定などが明言されています。これに加えて、表示されたら激レアな行き先である「西葛西」の表示が出ないこともわざわざ示されています。
駅での撮影禁止区域の設定と、沿道での全面禁止という文言を見て、ほぼ全域じゃないかと私は身構えていたのですが、実際には混乱に陥るほど駅にオタクが殺到することはありませんでした。バイトと思われる係員が、駅の先端に常時配置されて声掛けをしている以外は至って普通。
しかしですよ。冷静に考えてみれば、過去にメトロでは往年の名車の引退イベントで、悪質な趣味人によって列車の運行が長時間妨げられて遅延を引き起こすなど、そこそこオタクには手を焼いているはずです。今回の半ば"具体的な牽制"とも取れる文言に、正直私は背中に冷や汗をかきましたね。別に私は何も悪いことしてないですが。趣味人全体の規制が近いんじゃないかと勘ぐってしまうような、あまりにも詳細な文言だったので。
「西葛西」表示が出ないことの事前周知は、善良なオタクへの親切心なのか、はたまた珍しい物に群がるオタクに対しての間接的な打払令か。どう捉えるかはあなた次第です。
■お知らせ
皆様ありがとうございます！
4月頃から機材の関係で、更新が途絶えていて大変申し訳ございません。不在の間にも、毎日400～500ビュー程度頂けていたようで、ほぼ2ヶ月間、更新記事がゼロにも拘らず、12000ビューを突破することができました。皆様ありがとうございます。
比較的長めに記事を書くタイプなので、スマホの方には本当にお手を煩わせるような物ばかりになっておりますが、今後ともよろしくお願いします。
また、これから更新頻度が徐々に戻ってくると思うので、現在連載中のちょっとイレギュラーな人の就活体験記なども併せてお読み頂けると幸いです。
よろしければ、いいね・フォローなどもお願いします。それではまた。
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