毒をもって毒を制すとは。

毒をもつモノに毒をもって対抗する、有り体に言うと迷惑を掛けるやつには同じようなやつをぶつけてしまえと言うところ。

最近聞いたのは貞子と伽椰子だったりするのですが、そんなシーンってあんまり見かけないなと言うか、見かけたことない。

ただ、現実の世界で毒をもって毒を制す事例があって、

トリカブトの毒とふぐの毒は相殺することが出来るんです。

トリカブトのアコニチンとふぐのテトロドトキシンは拮抗作用があって、同時に飲むとお互いを押さえ込むとのこと。

一寸前にゴールデンカムイでも、同じような話があったんだけれど、実際はそんな簡単にいかないだろうし、拮抗作用が釣り合う容量とタイミングがあると思うから、まあ、実験しようと思うなら自己責任ってやつ。


まあ、むかしの話なんですが、ワイドショーでも結構トリカブトのワードが踊っていたなとむかしを思い返します。

実際どういう事件なのかって記憶がおぼろげなのですが、保険金殺人でトリカブトを使ったところまでは覚えているんですけれど、

犯人の旦那さんのアリバイがすっごく固かったんですね。

トリカブトのアコニチンは即効性があるので、旦那さんが離れた1時間40分後に中毒死した状況を崩すことが出来なかった。

で、旦那さんはどうやったのかって言うと、

先のふぐのテトロドトキシンを一緒に含ませて、時間差を作ったんです。

つまりはテトロドトキシンとの拮抗作用でアコニチンの作用が効かなくなることで時間差が出来る。

やがて、テトロドトキシンの効果がなくなるので、残ったアコニチンが奥さんを死に追いやった。

旦那さんはこれをやるために、何度もマウスで実験をして、自力でこれを作ったって話。

ここに至るまでに大学の教授にしつこく聞いていたので、教授に印象が強く残ってしまったらしい。

警察の事情聴取でこのことを聞くまでは捜査が難航してたという。

成功にたどり着くまでにトライアンドエラーを続けた、この執念。

もっと、地道なことに目を向けていたら、もう少し幸せな人生だったのでは。


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