【プロペラのノイズを軽減する】トロイダル・プロペラはノイズ軽減に推進力もアップするぞ

プロペラといえば、ヘリコプターとかセスナなんかのレシプロ機を連想するけれども、プロペラのアイディアはレオナルド・ダ・ヴィンチかとおもったが、調べてみると紀元前の中国の竹とんぼから始まっているという。プロペラというよりは、ヘリコプターという発想から始まり、羽根の研究としてプロペラという形状に行き着いたようだ。

ダヴィンチの頃は原動機がまだなかったので、せいぜい小さいものしか浮かせられなかっただろう、やっと原動機で動くヘリコプターが登場したのは1901年のドイツで15秒間の浮上を実演した。

ダヴィンチのような羽根の形状ではなくて、長方形の羽根を高速回転させる。ダヴィンチモデルでは揚力を得やすいだろうけれど、かなり重いだろうし、力学的に推力が外縁にも広がりそうだから、推進力の損失が大きいかなと考える。

現在のヘリコプターや、水面を走るスクリューも進歩しているのだろうけれど、騒音が大きいということは、まだ推進力をもっと効率的に利用できるのではないかと素人の頭でそう思った。


アメリカ、マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所とSharrow Marine社は、従来のローターの問題である騒音を抑えることに成功した「トロイダル・プロペラ」を開発している。

紀元前200年にアルキメデスによって考案されたプロペラは複数のブレードで構成されており、高速で回転することで揚力を得て、航空機や水上ボートなどを移動することを可能にさせる。しかし、この100年の間にこの技術は頭打ちとなり、いくつかの企業や機関は新しいプロペラを求めていた。

Sharrow Marine社は流体力学を用いて、ローター技術を大幅に進歩させたプロペラを開発した。従来のブレードではなくねじれたループ(輪っか)として設計することで回転推進における最も基本的な問題を解決したという。

プロペラがうるさいのは空気から揚力を得る際に渦巻きが発生しこれが音になる。新しいプロペラはこの渦を減少させることで、騒音を減らすだけでなく、エネルギー損失も劇的に減少させることができた。

さらに、逆推進力50%アップ、航続距離30%アップ、振動低減、中速回転域で速度2倍かなどの効果があった。

マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所の研究チームは、ドローンのローターにトロイダル・プロペラを提案した。ドローンは小さい機体でたくさんのローターを回しているけれど、すごくうるさい。ものすごく高速回転して機動性を実現しているのだから仕方ない。

しかし、このトロイダル・プロペラなら、音響的な不快感を軽減させるだけでなく、推進力も上がる、振動も低減できるから、映像撮影や産業、インフラの検査など、幅広い用途に受け入れられるが期待できる。

いまなら、3Dプリンタですぐに作ることもできるから、手持ちのドローンのカスタマイズもできるんじゃないかな。


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