【インクそのもので情報交換】文字を分子の配列に置き換えて暗号化できたぞ

暗号というのを歴史から調べてみると、ただの知能パズルという認識から、今までの歴史に深く関わり合っていたと気づいてしまったら、もうこの暗号の世界から抜けきれないまでの魅力にはまってしまうかもしれない。

紀元前のギリシャ、ローマで使われていた暗号はスキュタレー暗号が有名で、紐状の布に書かれた文字は一見ランダムに見えるが、棒を巻き付けると意味が通じるようになる。

シーザー暗号はヘイブンのアルファベットをずらして暗号化するもので、お互いに「数文字ずらす」という復号方法を知っていれば、その方法で暗号化した文書を送って、第3者にわからないように意志を伝えることが出来る。

でも、これくらいだとちょっと考えれば、解読してしまうのでもっと難しい暗号を開発して、そしてまた解読されてしまう。そうして暗号の発展は戦争にも大きく役立ち、昨今のインターネットも盗聴されないように暗号化されている。ブラウザのURLのところに鍵のマークがあるのがそれ。このサイトは暗号化されていますよと言う印し。


テキサス大学オースティン校の研究チームは配列定義ポリマー(SDP)を用いて、分子の重合体「ポリマー」の配列を定義して、暗号化したインクの技術を開発した。

ポリマーの配列を定義することで、文字などの情報を分子の並び順で表現することで、情報を埋め込んだ化学物質をインクに混ぜて、紙に載せることで相手に送ることに成功した。

このインクで当たり障りの無いメッセージを送って置いて、分子構造をインクから読み取れば、真のメッセージが解読できるという寸法。この情報は暗号化されており、最新のコンピュータでも破ることは難しいという。

SPDに小説「オズの魔法使い」を256ビットの暗号化キーに変換して、市販のポリマー材に保存する。このポリマー剤にインクを混ぜて、手紙を書いて郵送。

受け取った相手は手紙を質量分離器にかけ、ポリマーの材料の構造と暗号キーを見つけた。でも、相手方に質量分離器がないとこの暗号は解けないのでは。

これから作られるスパイ映画だったら、このアイディアは使われそう。トムクルーズもまだ健在だし、ミッションインポッシブルの新作ができたら、もしかして。


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