第三の万能細胞”Muse細胞”が脳梗塞患者の身体機能を改善した

脳梗塞の後遺症で頭ははっきりしているのに麻痺や拘縮に毎日を苦労している人がとても多い。というか、そういう人たちが身近にいるから、多く見えるだけで、他の人はあまりそうは見えないのかもしれない。

そういう病気にいつかかるかわからないし、かからないかもしれないけれど、なってしまったときに家族に負担をかけてしまうし、自分にも引け目を感じてしまうだろうし、他人を恨むことだってある。

自分がどう振る舞おうと状況は変わらない、とにかくリハビリに励んで日常生活を取り戻す。見てて歯がゆく見えてしまうように感じても本人は一生懸命やっているし、視野が狭い視聴覚も障害を起こしていたら、家族の声がよく聞こえなくて、不満ばかりが募っていく。

脳梗塞になってしまったら、早期の発見が回復の早さにつながっていく。発症後にすぐに処置ができたら、血栓を溶かす薬が投与されて直ちに意識を取り戻すことも。

東北大学医工学研究科、新妻邦泰教授が発表されたのは脳梗塞で介助なしの生活が困難になった患者にMuse細胞を投与したら、

「70%近くの患者が日常生活自立まで到達。31.8%の方が職場復帰を達成」したとのこと。

ミューズ細胞とは生体に内在する非腫瘍性の多能性幹細胞。ほぼすべての組織の結合組織や、骨髄や末梢血まで存在している。サイトカインの誘導により単細胞から身体を構成する要素である外胚葉系、中胚葉系、内胚葉系の細胞に分化することができる。

胚葉系って言うのは、大まかに身体を外側と中側と内側と分けた見方で外胚葉系は皮膚、神経、感覚器で、中胚葉は骨格系、筋肉系、循環系、泌尿器、生殖器系。内胚葉が消化器、呼吸器、尿路になる。

ということはだいたいの部分の異常なところにこのミューズ細胞がいくと修復をしてくれるという。

脳梗塞は血流が止まったところから脳細胞が壊死してしまうので、壊死した部分にこのミューズ細胞がやってくると修復をしてくれる訳か。

しかも腫瘍性がないので短い時間でDNA損傷の修復が行われる。この細胞がより活動的になれば、ものすごい再生力になるってことかな。なんか、バイオ系SFが実現になりそう。

不確かな情報だけれど、期間をおいた脳梗塞の患者にも効果がある、らしい。実用化するにはまだ時間がかかるだろうけれど、脳梗塞も怖い病気じゃなくなることも案外近いかもしれないね。

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