【人工光合成でメタンを生成】10倍の効率で燃料を生み出すぞ

少し前にTwitterのタイムラインで化学肥料をおとしめるツイートを見かけたことがあって、そこからつながるリプライが化学肥料がなかったら、人口は増えずに餓死者が今でも増え続けていた主旨の内容が書かれていた。

化学肥料によって、農作物の収穫量は飛躍的に向上し、飢餓を減らしたことで生き残る確率が大きくなった。化学肥料が健康リスクを脅かす存在と言われているのは、もう過去の話であって、いまでは農薬等々の健康リスクも極力抑えられているのが現状の様である。

某美食漫画で何かと農薬や化学肥料を悪く書かれていたこともあってか、しばし悪いイメージが付いていたし、自分も良くないイメージを持っていた。

この手の話は、油断すると知識が数十年前だったりするからアップデートするタイミングが無いと、いつまでも古いことしか覚えていないハメになる。

とはいえ、化学肥料を作ることが出来る様になったのは、皮肉にも戦争時代で火薬を作るための技術開発が発端だったのだけれど。空気からアンモニアを取り出すことが出来た。まだ、身の回りにはまだ使い切っていないエネルギーが残されている。


アメリカ、シカゴ大学は太陽光、二酸化炭素、水からメタン燃料を生成する画期的な技術を開発した。

人工光合成とは、植物のシステムを改造して燃料を作る。通常の光合成は二酸化炭素と水から炭水化物を生産するけれど、人工光合成はエタノールやメタンなどの燃料を生産することが出来る。

シカゴ大学の林文彬氏は「多くの人が気づいていない最大の課題は、自然界でさ、人間が使うエネルギー量にたいする解決策がないことです」と語る。エネルギーを得るシステムとして光合成も不十分であるという。「私たちは自然を越えるものを作らねばなりません」

研究チームは、まず有機金属骨格を作った。有機分子には炭素が含まれている。この有機金属骨格の炭層を、化学反応の際に電子を拾って移動させるのが得意なコバルト溶液に浸した。

そして、タンパク質の構成要素であるアミノ酸を混ぜた。これは研究者達がこれまでになかったことを行ったという。このアミノ酸は二酸化炭素と水を分解し、メタンに作り替えるという反応の効率を高めることになった。その結果、従来の人工光合成の10倍の効率が得られたと学術誌「Nature Catalysis」で発表した。

この手法は医薬品などの有用な物質の生産にも役立つ可能性があるという。

しかし、コレでも燃料として使うにはもっと研究が必要になるという。もっとさらに効率を上げる必要があるんだろう。エネルギー問題がコレで少しは解消されるかはわからないけれども、空気中からアンモニアを抽出するハーバーボッシュ法にならぶほどの大きな進歩になるかもしれないかもと思う。


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