【胃のバイパス手術と同じ効果】食事量を減らせる薬剤を開発したぞ

ずいぶん前に角界で賑わしてくれた小錦が割とふつうの体のサイズになっていたのをテレビで見た。引退後はあの大きな体は負担しかないので、体を小さくする必要があったので減量していた。

それでも、あの巨体では痩せても皮膚がたるんだままでいるので外科的に切除もしたり、テレビ番組の企画でダイエットに挑戦していたが、減量とリバウンドの繰り返し。

痛風や糖尿病もあって、入院も頻繁にあり、やっぱり胃が大きくなっていたので、胃を小さくするためにすこし切り取ったそうな。

それまでは、小食を強いられていて、1日2開土が食いをしていた当人にとっては物足りなかったという。

胃の切除とはちょっと違って、バイパス手術というのがあって、上部の小さな袋と下部の大きな袋に分けて、小腸のルートを変更して消化吸収を阻害することができる。これは病的肥満に適応する手術で、物理的に食事の許容量が減るので、少量でも満腹感が得られやすくなる。


アメリカ、シラキュース大学とシアトル小児病院研究所の共同研究で外科手術を行わず、胃のバイパス手術の効果を得る治療薬を開発した。

慰労やその関連手術は、肥満手術と総称され、多くの場合は持続的な体重原書や糖尿病の寛解をもたらし、1つの解決策となっている。しかし、これらの手術はリスクをともない、すべての人に適しているわけでは無く、すべての肥満や糖尿病に受けられるわけでは無い。

胃のバイパス手術を行うと腸内ホルモンの分泌量が変わる。このことで、食欲を抑えることができるようになる。

研究グループはGLP-1受容体だけで無く、PYYのも含めて、2つの受容体を活性化するペプチドを作った。GLP-1はグルカゴン様ペプチドでPYYはペプチドYYのこと。これらが脳に満腹を知らせて食欲を抑えてくれる。

GEP44と名付けられた化合物は、肥満ラットの食事量を通常よりも最大80%減少させた。16日間の試験終了後にはこのラットは体重が平均12%の減少した。この結果は、アメリカで承認されているリラグルチドで治療したラットの3倍以上だった。さらに吐き気や嘔吐の兆候も見られなかったという。

さらにGEP44による体重減少は、食事の減少だけで無く、運動量や心拍数、体温の上昇といったエネルギー消費量の増加にもつながることがわかった。

しかもペプチド治療の利点はこれだけで無く、グルコースを筋肉組織に引き込んで燃料として利用したり、膵臓の特定の細胞をインスリン産生細胞に変えて、血糖値を下げる効果もあるという。

外科手術もせざる得ない人も沢山いる中で、手術のリスクをなしに同じ効果が得られるなら、断然こっちを選ぶ。これは肥満解消薬としても使えそうなので、臨床試験ものりこえて、現場に現れてほしいところ。画期的な治療効果が出ているだけに、すんなりと出てくるのかちょっと心配にもなってくる。


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