【黄色ブドウ球菌が引き起こすかゆみのメカニズム】湿疹のかゆみは細菌が引き起こしていたぞ

ハーバード大学医学部の科学者たちが最新の研究で、かゆみの原因に新たな手がかりを見つけました。この研究では、黄色ブドウ球菌という一般的な皮膚細菌が、神経細胞に直接作用してかゆみを引き起こすことが初めて明らかにされました。この成果は、湿疹やアトピー性皮膚炎などの一般的な皮膚疾患における持続的なかゆみの理由を解明する重要な一歩です。

この研究結果は、2023年11月22日に『Cell』誌に掲載された査読付き論文に基づいています。研究者らは、かゆみの原因とされていた皮膚の炎症とは異なり、黄色ブドウ球菌がかゆみを単独で引き起こすことを発見しました。

アイザック・チウ上級研究員は、「慢性疾患であるアトピー性皮膚炎のほとんどすべての患者に見られる黄色ブドウ球菌を特定しました」と述べています。彼らの実験では、黄色ブドウ球菌が皮膚から脳に信号を伝達する神経線維上のタンパク質を活性化し、かゆみの引き金となることが示されました。

さらに、研究チームは黄色ブドウ球菌が放出する特定の酵素であるプロテアーゼV8が、かゆみを引き起こす主な要因であることを発見しました。この酵素は、神経細胞のタンパク質であるPAR1を活性化し、脳にかゆみのシグナルを送ることが分析によって明らかになりました。

興味深いことに、かゆみを引き起こす原因とされてきた他の炎症関連の細胞や物質は反応せず、かゆみを引き起こす鍵は黄色ブドウ球菌のプロテアーゼV8にあることが実験で示されました。

研究者たちはさらに、PAR1をブロックする抗凝固薬を使用して、かゆみと掻破のサイクルを止めることに成功しました。これは、将来的にかゆみを和らげるための外用クリームや内服薬の開発につながるかもしれません。

今後の研究では、黄色ブドウ球菌以外の微生物がかゆみを引き起こすメカニズムについても理解を深めることが計画されています。この発見は、かゆみの発生メカニズムや微生物との関連性についての新たな洞察を提供しています。また、微生物がかゆみを引き起こす理由やその進化的な利点に関する理解を深めるための未来の研究が期待されています。

ChatGPTより作成


黄色ブドウ球菌というのは、割とメジャーな細菌で人間や動物の皮膚や内臓にホコリの中にも見つかるくらいどこにでもいる。皮膚の感染症や食中毒、肺炎、髄膜炎、敗血症などの起因菌でもある。菌の形がブドウの房のように見えているから、ブドウ球菌という名前が付いた。

湿疹のかゆみはよく聞くことだけれど、普通に蒸れて皮膚が赤くなっているのかなとぼんやりと思っていた。考えてみたら、なんで皮膚が赤くなるのか、それは血流が増えているからであって、その血流が増えている原因はその場所の湿度が高まったと言うだけでは、根拠が薄かった。

湿疹のかゆみが黄色ブドウ球菌のほかにもべつの微生物が起因していることも考えられる。まあ、細菌の仕業だけなら、殺菌できるクリームで効果が出るだろう。ただ、悪玉の細菌が悪さをしてしまう皮膚環境ではやはり対処療法だけとなる。

皮膚環境を改善させるスキンケアの周知を広めていければ、湿疹からさらにひどくなるようなことも少なくなるだろう。まあ、肌に困っている人はきっと念入りにしているだろうけれど。


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