【アメザリは今日も生きている】アメリカザリガニは寒冷環境への進出しているぞ

千葉大学国際高等研究基幹・大学院理学研究院の佐藤大気特任助教と東北大学大学院生命科学研究科の牧野能士教授を中心とする研究チームが行った最新の研究は、侵略的な外来種として知られるアメリカザリガニの寒冷環境への適応に関連する遺伝基盤を解明しました。この研究の成果は、国際学術誌「iScience」に2023年7月3日に掲載される予定であり、同誌の特集号「Invasion Dynamics」にも収録される予定です。

アメリカザリガニは、その高い環境適応能力によって世界中で広がっていますが、同時に低温には弱いと考えられてきました。しかし、札幌市内での研究により、アメリカザリガニが寒冷環境での繁殖をしている事例が報告されており、この現象の背後にある遺伝的メカニズムを解明することが本研究の目的でした。

研究チームは、アメリカおよび日本各地のアメリカザリガニの集団のゲノム配列を解析し、その結果、アメリカから日本に移入された集団が、鎌倉を拠点として広がっていった可能性が高いことを突き止めました。この移入の経路は過去の文献とも一致し、現地の状況と合致するものでした。

さらに、寒冷環境での低温耐性を調査するため、札幌市と仙台市から採取されたアメリカザリガニを用いた実験が行われました。その結果、札幌市の集団は低温(1℃)の環境下での生存期間が仙台市の集団よりも長いことが明らかになりました。これにより、札幌市内の集団は低温に対する耐性を獲得している可能性が示唆されました。

また、遺伝子発現量の解析を通じて、低温適応に関わる可能性のある遺伝子群が特定されました。甲殻類の外骨格の構成やタンパク質分解酵素阻害分子に関連する遺伝子が低温適応に関与している可能性が示唆されました。特に、低温下での生存に関連する遺伝子発現が認められたことから、アメリカザリガニの寒冷環境への適応において、これらの遺伝子が重要な役割を果たしている可能性が浮上しました。

そして興味深いことに、アメリカザリガニのゲノム配列解析から、重複遺伝子が多く存在していることが明らかになりました。遺伝子の重複は、機能の多様化や環境適応能力の向上に関与することが知られており、アメリカザリガニもその例外ではありません。特に、外骨格構成やタンパク質分解酵素阻害分子に関連する遺伝子群での重複が顕著であり、これによって低温適応に関わる遺伝子の機能が強化されている可能性が示唆されました。

この研究は、侵略的外来種の適応メカニズムに関する新たな洞察を提供するものであり、今後、より詳細な機能解析が行われることが期待されます。また、この研究は環境適応に関する理解を深める一環として、生態学や遺伝学の分野において重要な示唆をもたらす成果です。

ChatGPTより作成


小学生の時に、級友が学校にある池でザリガニを捕まえていた。ザリガニは食べられると言って、腹を剥くと鯉のいる池にぽいっと投げ入れた。鯉はそれをパクッと食べていた。

今、こうして書くと小学生の無知の過ちというエグいエピソードだなって思う。
ザリガニはどこにでもいるから、日本の生物という認識でいたし、外来種というカテゴリも全く知らないでいた。あとになって、アメリカザリガニは繁殖力が強くて、あっという間に増えてしまったと様々なメディアで何度も見かけている。

研究によると、アメリカザリガニは約100年前に鎌倉へ輸入されて、そこから生息域を広げたとされている。つぎに低温体制を検証するために、札幌市と仙台市で採取したアメリカザリガニをそれぞれ実験室で飼育、交配させ、得られた様態を用いて低温被曝実験を行った。

そこで、遺伝子発現量解析を行ったところ、いくつかの遺伝子群で発現量が発動することがわかった。仙台の集団は1週間で発現したが、札幌の集団は1ヶ月後に発現量が増加したという。

低温には弱いアメリカザリガニであったが、近年低温にも強くなっているようで、種としての強さを遺憾なく発揮している。

いずれは人間が絶滅しても、ザリガニが生き残っていることもあるかもしれない。万が一核戦争で人類が滅びたとしても、放射線にも耐性を身につけたミュータントザリガニがいつか知性をつけて、人類の代わりに地表の覇権を手に入れる可能性もあるだろう。どっかのゲームみたいに。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?