コミケの戦利品を紹介していく5 C102
降り注ぐ日差しに痛さを覚えつつ、目指す場所までどれくらい耐えればいいのか。こんな時は昔だったら、戦利品を見たり、心を無にして暑さを感じないふりをする。または、隣の人とお話をしたりした。いまはまだ咳にもおびえるご時世であるため、気軽に話をすることができないけれど、いずれは知らない人と何気ない会話ができるようになると願う。
行列を待っているさなかにスタッフが財布を見つけた。声を上げたが誰も覚えがないそぶりで反応が無かった。財布の特徴を口にした。それでも、反応は無かった。仕方ないので、スタッフは財布の中にある身分証明書から名前を呼んだ。持ち主が現れた。きっと自分では無いと思っているモノなんだろう。自分の財布の形を覚えているとはいえ、まさか自分がとは思っていないのだ。これが正常バイアス。
落とし主が財布を取り戻したとき、周囲から温かい拍手が起きた。みんな優しい人だった。
毎回デザインが変わるので、この期間だけしかこの飲料水は現れない。そして、このペットボトルにはバーコードが載っていない。つまり、一般では売られることが無いのだ。これを集めている人もきっといるだろう。コミケ限定のノベルティ。しかし、250円。
ここからは番外編
コミケには食べ物レビューをはじめとする、食文化系同人誌のジャンルがあって、そのジャンルで占められた島の常連から有志で作った総合ガイドブックと行ったところか。サークルカットやスペースを見るだけでは、寄ってもらえないことは当然あるし、ディスプレイを構築するにもセンスが必要だ。行ってみれば一目でわかるくらいにサークルスペースのディスプレイはその見栄えに格差がある。
興味というフックがあるのに引っかかってくれなかったことは、サークル側も買う側も同じ程度に損をしている。すこしでも見てもらうために、決められたフォーマットでアピールするある意味公平な情報誌。実はどこで受け取ったのかわかって無くて、ちょっと惜しいことをした。で、奥付見たら9割シリーズのサークルだった。
雑貨の島で見かけたのは、オート発射ができるゴム銃を売り出しているサークル。お値段は相応だったので買うのは控えたけれども、様々な作品で使われたショットガン、拳銃、ライフルなどのキーホルダーを制作しており、作品のファンであるなら、お一つ所望したい気持ちにもなる。というわけで、少し悩んで土方歳三の使用していたライフルを購入。
鞄につけてぶら下げておくとちょっとかっこいい気分になれるかもしれない。
雑貨スペースで見かけたのは自分のデザインで制作した懐中時計。いろいろといい感じのデザインがあったけれど、あとの買い物に差し支えるので、厳選して選んだ一つ。
ゼンマイを回してあげると、中で変わらないリズムで動く心臓部がほぼ正確に時を刻む。真鍮に刻まれた細かな模様と見慣れない文字盤がまるで別の世界線から紛れて現れたようにも思えて、中二心をうずかせる。雑貨島は初めてよってみたけれども、インテリアとして個性のある小物を見かけた。次回はこの島にもよってみて、心ときめくモノがあったら、是非紹介したい。
というわけで、次回は冬コミのあとに。
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