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構文の五階層による言霊のデザイン vol.06

監修:大野靖志 / 執筆:寺内輝治


今回お伝えするのは、「早く結婚したい」という悩みのケースです。

このような悩みをもつ理由のひとつとして、結婚に対する自分の考えが、親兄弟や友人、会社の同僚などの言葉と混ざり合い、頭の中が混乱していることが挙げられます。

vol.01で「祈る」と「拝む」の違いをふまえてお伝えしましたが、構文の五階層は客観視をもたらすという、言語の本質的な性質を最大限に生かした概念です。

自分が置かれた状況を客観視することで、このような混乱から生じた情念を取り払い、自分の本当の思いを明確にすることができます。

◎一人称構文

年齢も年齢だし、そろそろ結婚したい。さすがに焦りが出てきた。


◎他人称構文

しかし、条件の合う相手がなかなかいない。


◎複合一人称構文

結婚できない焦りを解消したいが、相手選びで妥協したくない。


◎優先構文

客観的に考えると、結婚できないことには自分にも反省点がある。異性に対する態度が変わらないことには良い出会いもないだろう。まずは自分を改めて、周りにも結婚したい旨を告げておけば、やがて良い縁がやってくるだろう。とりあえず待つことにしよう。


◎自在構文

そもそも結婚とは条件だけで決めるものでもなく、機縁によっても導かれるものだ。また恋愛だけをするのとは違い、家庭を持って、愛されるばかりではなく、夫や子どもを愛することも学ばなければならない。そのような愛を目指していくことができれば、良縁はきっとやってくるだろう。


このケースについて、七沢賢治氏は以下のように述べています。

問題に関わる具体的な他者が特定されない場合には、他人称構文のところに自分を取り巻く状況を書くといいでしょう。
結婚に関する悩みは現在、多くの人が抱えていると思いますが、人に愛されることばかりを求める「恋」の段階にとどまっていては、相手の条件ばかりを気にして、いつまでも良縁に恵まれないことになりがちです。
結婚とは、双方の愛が広がっていき、家族愛へと発展させることであると理解してください。そのことに気づいて「愛」に目覚めるとき、きっと良縁がやってくることでしょう。


結婚は、理想と現実を対立軸に語られることが多いようです。しかし、それが誰の理想であり、誰の現実なのか、本当は自分でも分かっていない場合が多いのではないでしょうか。

構文の五階層で自分の思いを客観視し、それが明確になれば、目の前で展開する事象、つまり、異性との出会いで思わぬ展開を体験することになるでしょう。

次回は、具体的に好意を寄せる相手がいるのに、アプローチする勇気がない女性のケースを見ていきましょう。

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【寺内輝治のプロフィール】
Parole編集員。
中学2年生まで友だちとラケットベースボールやパソコンゲームに熱中する元気な子どもだったが、ある日、教室で奇妙な白昼夢を見て以来、「何のために生きているのか」を自分に問うようになる。
大学時代、周囲と同じように就職活動をすることに強い抵抗を感じ、翻訳で生計を立てるべく専門学校で学ぶ。
しかし、一度社会で揉まれる必要性を感じ、セールスプロモーションの会社に就職。イベントや展示会の企画運営、印刷物やWEBサイトの制作などに10年間携わる。
ホメオパシーに出会い、その魅力に取り憑かれてホメオパシー関連の会社に就職。タマネギの皮がむけていくような内面の変化を体験する(周囲から変わったと指摘される)。
その後、フリーランスとしてデザインや翻訳などをこなすなかで、「何のために生きているのか」という問いが爆発しそうになっていたとき、七沢研究所と出会い、その答えを見いだす。
2018年に京都から甲府に引っ越し、心身ともに健やかな毎日を過ごしている。



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