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この宇宙はプラズマでできている vol.012

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

2.4.宇宙森羅万象のすべての物質は、この17種類の物質からできているのです

これは驚くべきことです。私たちの肉体はもちろん、宇宙のガス星雲、銀河宇宙から、太陽、そして私たちの地球上に存在する大気・動植物・鉱物・海山川の森羅万象のすべてが、この17種類の素粒子からできているというのです。信じられないかもしれませんが、以下に、その仕組みと構造を順繰りに解説してみます。私たちが目にする物質の構成要素を分解してみます。

〈物質の構成要素〉
① 森羅万象を構成している最小単位はクォーク(※1)です。
② そのクォークから陽子と中性子と中間子(※2)がつくられます。
③ 陽子と中性子と、陽子と中性子をつなぎ止める中間子で原子核がつくられます。
④ 原子核と電子の相互作用によって原子がつくられます。
⑤ 原子は元素とも呼称され、現在118個ぐらいが見つかっています。
⑥ この原子が組み合わさって分子がつくられます。
⑦ この分子の集合体が、「物質」と呼ばれているのです。
⑧ この「物質」が組み合わさって、森羅万象ができあがります。

図1

そして、さらに驚くべきことは、森羅万象を構成しているものを突き詰めると、森羅万象は、なんと、
①アップ・クォーク
②ダウン・クォーク
③電子

の3つでできているとも言えるのです。中間子も、じつはクォークでできているのです。どんどん細かくなっていって申し訳ないのですが、剖(わけ)ると、判(わか)るのです。以下の図表をご覧ください。

図2

また、素粒子については、もっと興味深い話があります。素粒子は点粒子として点で表されます。点だから位置を決めるだけで大きさはありません。

ですから、本来、素粒子は粒子としてではなく「場」としてあらわすのが正しい解釈なのです、【素粒子場】として、です。

17種類のすべての素粒子は、それぞれ「場」を有しています。17種類の「場」は、宇宙全体に階層化して遍(あまね)く満ち満ちています。そして「場」の性質として通常は顕在化しません。外部から「場」に何かエネルギーが注ぎ込まれるとか、自発的に「場」がゆらぐとかすると顕在化、粒子化(「自発的な対象性の破れ」については後述予定)するのです。

この下りは、じつは『言霊百神』22頁にある「独り神」と類比的なのです。17種類の素粒子は、一つ一つが独立して、それぞれの素粒子が「独り神」として宇宙全体に階層化して遍く満ち満ちているのです。

そして、さらに驚くべきことなのですが、この17種類の素粒子のすべてに反素粒子が存在するというのです。後述予定のビッグバン宇宙の誕生時に、正反(陰陽)の素粒子が「対(ペア)」で発生するというのです。

考えてみれば、我々の宇宙には「エネルギー保存の法則(※3)」と共に「電荷保存の法則(※4)」があり、この二つの法則は絶対不変の法則です。ですから、“ビッグバン宇宙の誕生時に正反(陰陽)の素粒子が「対(ペア)」で発生した”というのはもっともな話なのですが、では、その「対(ペア)」で発生した素粒子は、いったいどこに行ってしまったのでしょうか。ダークマターとして「身を隠したまひき(『言霊百神』23頁)」してしまったのでした。

現在、私たちの宇宙を構成している粒子は、ビッグバン宇宙の誕生時の4%しかでないというのです。大部分、つまり96%(ダークマター23%、ダークエネルギー73%)の素粒子は「身を隠したまひき」してしまったのです。もちろん、以上の記述はあくまで類比的ではあるのですが、なぜか惹かれる、説得力がある下りでもあるのです。

図3

ま、森羅万象が何からできているか、という話しは、これぐらいにしておきます。この話しは、物質の根源の話しなので説明しだしたらキリがありません。

森羅万象をかたちづくっている原子(元素とも言う)は、現在、118種類ほど発見されているのですが、その原子は突き詰めると3種類の素粒子でできているというのです。

なぜか宇宙森羅万象の多くは3つの単位でできているようです。物質はもちろん、DNA遺伝子もコドンといって3つの遺伝子のつながりでできています。遺伝子の話しは、いずれ詳細に説明しますので楽しみにしておいてください。

次回は、インフレーション宇宙のお話に戻ります。

※1. クォーク:物質の最小単位は古代ギリシャの哲学者デモクリトスがアトムと命名した原子論に端を発し、その後、陽子や中性子の中にクォークの存在が発見され、クォークが最小単位と言われていたが、そのクォークを形作っているのは10-33cm大のヒモであるという超弦理論が提示され、現在は、ヒモ(開いたヒモ、閉じたヒモ)が物質の最小単位と言われている。本レポートでは、クォークを最小単位として記述します。
※2. 中間子:湯川秀樹博士が、その存在を1935年に予言。1947年にイギリスの物理学者セシル・パウエルが宇宙線の中からパイ中間子として発見された。当初は、中間子は素粒子と考えられていたが、その後、クォークと反クォークからなる複合粒子であることがわかった。
※3. エネルギー保存の法則:エネルギーはいろいろな形に変換されます。しかし、変換前のエネルギーの総量と変換後のエネルギーの総量は変化しません。エネルギーの変換において、それに関わったエネルギーの総量は一定である。
※4. 電荷保存の法則:電気のことを電荷といいます。電荷の量を電気量といいます。電荷は何も無いところから生まれたり、あるいは消滅してしまったりすることはありません。電荷をやりとりするとき、その前後で電荷の量(電気量)の総和は変化しない。このことを電荷保存則、あるいは電気量保存の法則といいます。


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【杉山 彰(すぎやま・あきら)プロフィール】
◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎<作成論文&レポート>:
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎<開発システム>
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としてのカナ漢字置換装置・
  JCN<愛(ai)>
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎<出願特許>
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎<取得特許>:「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等


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