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『神社検定』から『白川のおみち』へ

執筆:ラボラトリオ研究員  上瀧

全くもって唐突ですが、皆さんは『神社検定』(正式名称『神道文化検定』)ってご存じですか?

『神社』『検定』『神道』のいずれも、言葉としては割と馴染みがあると思われますが、『神社検定』『神道文化検定』という組み合わせでは、初めて耳にするかもしれません。

また、「神社の神職になるには、その検定に合格する必要があるの?」と思われるかもしれませんが、神職になるために必要というものではなく、あくまで個人の趣味の検定となっております。
(なお、神職になるには、神職資格取得課程を有する大学(國學院大学・皇學館大學)を受験し、専門の学科を卒業するのが最も一般的とのことです)

神社検定の趣旨については、以下のように『神社検定(神道文化検定)』公式ホームページで記載されております。

神社検定(神道文化検定)は、神社が好きな方や、日本文化をもっと知りたい方のための検定です。空前の神社ブームも影響してか、神社の参拝者は急増し、神社に対する社頭での質問も多く聞かれるようになりました。

そんな中、より多くの方々に神社についての正しい知識を学んでいただき、「日本のこころ」を再発見していただくため、神社本庁監修のもと、神社検定はスタートしました。

日本全国には、約8万の神社があります。そしてそれら1つ1つの神社に、悠久の歴史が宿っています。

神道は、日本文化の源です。

蘊蓄(うんちく)を語りたい人も、ガイドに活用したい人も、生涯学習のテーマにしたい人も、神社検定にトライすることで、これまでアタリマエに知らなかった日本文化が、きっと見えてくるはずです。

          (『神社検定(神道文化検定)』公式HPより引用)


神社検定は、その翌年に伊勢神宮と出雲大社の遷宮を控えた平成24年に第1回が開催され、以後、毎年1回開催されてきました(今年の令和2年6月に第9回が開催予定)。
第1回から第8回までの総申込者数:3万3千人以上、総受験者数:2万7千人以上(いずれも累計・延べ人数)で、結構な人数になっております。

三級・二級・一級があり、受験資格は一級のみ二級合格者限定となっておりますが、それ以外は制限がありません。また、試験形式も「4択マークシート方式100問」となっており、記述式の問題はなく、比較的回答しやすいものと思われます。

つらつらと検定の概要の説明となってしまいましたが、私自身については、第二回に三級を受験して合格してから、毎回、級を上げる形で第六回まで受験しておりました。〔第二回:三級(合格)、第三回:二級(合格)、第四~六回:一級(合格)〕。

毎回新しい分野を知ったり、以前の試験範囲を見直すことで気づくこともあったり、季刊誌からの時事的な出題もあったりするため、一級を合格した後も継続して受験しておりました。
知人たちからは「合格したのに、何でまた受験してるの?」と不思議がられてしまいました...。

神社本庁について

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さて少しお話が変わりますが、『神社検定』は『神社本庁』が監修していることから、当然ながら『神社本庁』としての日本の歴史観・神道観によるものとなっております。

この『神社本庁』の設立趣旨と活動について、公式HPで以下のように記載されています。

神社本庁は伊勢の神宮を本宗と仰ぎ、全国8万社の神社を包括する組織として、昭和21年に設立されました。
以来今日まで祭祀の振興と神社の興隆、日本の伝統と文化を守り伝えることに努めてきました。
このサイトは、日本固有の信仰である神道について、わかりやすく説明するものです。

ただし、『神社本庁』が設立された時代背景に関しては、
◎1945年(昭和20年)
 日本の敗戦(ポツダム宣言受諾・1945年8月14日)
 GHQにより『神道指令』が公布された直後
と、大変革があった直後といえる状況です。

また、前身とされる団体(皇典講究所・大日本神祇会・神宮奉斎会)に関しても、実はいずれも明治以降に設立されたものです。

この点、『明治維新』での西洋・一神教と対峙するための変化や、『第二次大戦での敗戦』『GHQによる神道指令』という大変革に対応するため、止むを得ない事由があったとは思われますが、一種の断絶を経ていることは、頭に留めておくことが必要であると思われます。

『神社検定』から『白川のおみち』へ

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netenのスタッフになる前、神社・神道に興味があって『神社検定』を受けていて、『白川神道』『白川家』という言葉についても知っておりましたが、宮中祭祀に関わる神道の一派というような認識に過ぎませんでした。

そして、私自身の「知情意」が浅く、『神社』『神道』『白川のおみち』について、キチンと説明出来るレベルには至っていないのですが、あくまで私自身の感覚的なものでもお伝えしたいと思ったのは、以下のようなことでした。

(1)『神社検定』は、神社・神道の知識を深める入口・切っ掛けの部分にはなると思われます。
ただ、神道の奥行きは大変広くまた深いものであり、検定での学びで得られた知識だけでは不十分であり、また「知」に偏る面があると感じられます。
そのため、むしろ、「知」(知識)による慢心により、「情」(実践による体感)と「意」(境地を掴んだ人からの伝授)の学びの邪魔になる場合もあり得ます。
この点、『白川のおみち』では、具体的な実践法も含めて、「知情意」のそれぞれを深めていくことが重視されております。

(2)一般的な「神社」「神道」では「神を拝む」のですが、また、白川でいう「神」とは、人格神的な「神」や西洋の唯一絶対的な「神」ではなく、八百万の「おはたらき」それぞれが「神」というように感じております。

(3)神社・神道は日本と日本人が語り継いできた民族の歴史・神話で、現代・未来でも生き方の指針になると感じております。
ただ、それだけには収まらずに、白川では、宗教や各個人の信仰によるものではなく、日々の実践・ボディワークによる実際の体感と学問としての実験祭祀学により、現在の最先端の科学を更に半歩進んだ概念で切り拓きつつ、現在の日々の生活とも結びついていると感じております。

(4)『神社検定』で学びつつ、神社巡りをしていた時は、あくまでも個人的・観光的な興味で各社を回って、個人的な願望の祈りを上げていました。
しかしながら、『白川のおみち』やnetenグループでの各種の講座での学びと、スタッフとして勤めさせていただくようになってから、圀手會の鎮魂や奉告の祭祀にはお手伝いとして参加させていただくことがありましたが、
個人としては神社にはあまり行かなくなりました。
また、「祓い・鎮魂・祈り(意宣り)は、自分一人でやっているようでも、自分だけではなく、家族・祖先・地域・圀・公とつながっている」というお話を聞いたりしていくうちに、より広い範囲への感謝や意宣りを発する意義等について、色々と気付かせていただきました。

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「折角の一度きりの人生だから、一生かかってもやりきれないぐらいのものに取り掛かってみたい」という感覚があります。

物凄いご縁をいただいて、現在この甲府の場所でお仕事をさせていただきつつ、『白川のおみち』と祓い・鎮魂・言霊についての学びと実践を深めることができる状況ですので、周囲の方にも何らかのお役に立てるよう努めていこうと思うようになりました。

以上、取り留めもなくなってしまいましたが、読まれた方に何らかの気付きやお役に立てれば幸いです。


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【プロフィール】

netenグループでは、現在マネジメントオフィスに所属し、経理補助・書類整理等の業務を担当。ロゴフェス・鎮魂ツアー・奉告祭等の各種イベントのスタッフをすることもあり。
もともとはゲーム好きなインドアのヲタクだったが、30年近く前からゲーム・小説の舞台やロケ地となった場所を巡って写真を撮ったり、各地の駅・タワー・観光名所の記念スタンプを集めつつ、御朱印を集めることを趣味としていた。
そんな中で、最初は何も知らずにスタンプと同じ感覚で御朱印を集めていたが、せめて日本人として神社・神道について、もう少し正確に学ぼうと思い
『神社検定』を受ける。
netenグループが関わる『ザ・ワープ 和の成功法則』という講座を知り、
「古神道・白川伯家神道の叡智」と「最新のデジタル技術」という言葉に惹かれて、いつの間にか受講(オンライン)することに。
そして、講座の終了後にも自主的な勉強会・鎮魂会、オフィシャルなイベント等にも参加して、ホームページ内の人材募集の記事を目にして応募し、イベントの準スタッフ(お手伝い)を経て、スタッフとして務めさせていただくことになる。
また、『白川のおみち』を伝える白川学館ともご縁をいただき、白川学館の受講生・門人に登録させていただくこととなった。

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