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キラ✨メンタルDNA 〜なぜ、DNAは設計図と呼ばれるのか〜

執筆:ラボラトリオ研究員 きむら真

前回の記事では、DNAについて知るメリットと、人生の大局の源として大きなパワーにつながることについて触れました。

今回は、DNAの大事な役割の一つである私たちの身体の設計図としての役割についてご紹介させていただきます。

DNAの役割と細胞の生命活動の基本的なことがわかると、昨今騒がれているウイルス感染、増殖のメカニズムの理解にもつながる、といった利点もあります。

それでは早速、本題に入りましょう。

私たちの身体には、たくさんの細胞や細胞と細胞をつなぐ物質からできています。細胞は細胞膜で囲まれており、その細胞の内側は細胞質に分けられます。

それからDNA がおよそ30億個つながって、核の中に存在するものをゲノムDNAと呼びます。

図1

上記の写真は、DNAに結合する「ヘキスト」という物質を細胞に処理して撮影したものです。
そして青紫色に見えている部分というのが、DNAが存在する場所です。
一番左の細胞はちょうど細胞分裂するところで、DNAが染色体として集まっている状態です。
写真の真ん中と右側の細胞では、核は核膜と呼ばれる膜で囲まれています。
写真の一番左側の細胞のように細胞が分裂する際には、核膜の様子は異なる様相となります。

ヒト細胞のの大きさは細胞の種類によって異なりますが、平均すると6マイクロメートル(6センチメートルの1万分の1)となります。

この核の中にDNAのA アデニン、C シトシン、T チミン、G グアニンといったように、46本の染色体に分かれて、ある意味を持って並んでいます。

その数は、およそ30億個にもなるのです。

これらを仮に全部つなげてみると、1メートル70センチメートルもの長さになります。

直径6マイクロメートルの球の中に、1.7メートルもの分子が折りたたまれて入っている。

私たちの細胞は神秘的な術をそなえていますね。

塩基

DNAは連結して鎖になっています。
DNAの配列には方向性があり、一方のDNAの鎖の配列が仮に〈ATGC〉という順番でつながっていたらもう一方の鎖は〈GCAT〉という配列のDNA鎖が
並んで「二重螺旋」構造となり核の中に保存されています。
図の右側では二つの鎖が二重螺旋を安定的につくるAとTGとCが対(つい)になって水素結合の状態を示しています。


DNAの配列
(30億個のセット)が細胞分裂のたびにコピーされて、新しい細胞に同じDNAの配列(30億個のセット)が核の中に配置されます。

細胞が活動する上で必要なものは、タンパク質機能RNA分子です。

さらに、タンパク質も機能RNA分子も大切なのは「構造(形)」なのです。

皆さんの身の周りにある生活用品、たとえば服、カバン、メガネ、はさみ、鍵といったものは、それぞれの形によって、機能が変わってきますよね。

これは細胞のなかの物質に置き換えても、同じことが言えます。

ではタンパク質の場合、形は何で決まるかというと、「アミノ酸の並び方(順番)」です。

機能RNA分子の形は「RNAの並び方(順番)」です。

画像4

図中左側がの中の模式図です。
設計図であるDNAは二重螺旋状態で存在しています。
DNAの配列情報をもとにRNAが合成されることを転写といいますが、その際には、二重螺旋がほどけて、DNAの配列によってRNAが合成されます。
仮に設計図DNA配列が〈ATGC〉と並んでいれば、RNAの配列は〈UACG>となります。
DNA 〈A〉に対応して RNA 〈U
DNA 〈T〉に対応して RNA 〈A
DNA 〈G〉に対応して RNA 〈C
DNA 〈C〉に対応して RNA 〈G
が並んでいきます。
DNAの設計図情報の一部がRNAに転写され、タンパク質や機能RNA分子情報を伝えるメッセンジャーRNAになります。メッセンジャーRNAは
図の右側の細胞質領域に移動し、細胞質にあるリボゾームに到達します。
リボゾームにおいて、メッセンジャーRNAの情報に基づき、アミノ酸の複合体の働きによってアミノ酸を運ぶ tRNAアミノ酸が並び、連結させ、タンパク質を合成します。

日常生活でよく耳にする酵素も、その多くはタンパク質でできていますが、実はそのタンパク質の並び方は、DNAにおいて、A、T、G、C がどのように配列されているかで決まってきます。

30億個のDNAはただランダムに並んでいるのではなく、機能するタンパク質や機能RNA分子をつくるように、意図された配列で並んでいるのです。

つまり、

DNAの配列が決まると、RNAの配列が決まる。
RNAの配列が決まると、タンパク質の配列が決まる。

これが「DNAが設計図」と言われる理由です。

今日はここまでにしましょう。

大事なのは

DNAの配列(設計図)が読み取られる

その情報をもとにRNA分子ができる

そしてRNA分子の配列をもとにタンパク質のアミノ酸の配列が決まる

ということです。

それでは続きは、また次回に!

皆さんの人生の形、今日一日の形は、何で決まりますか?

キラ✨メンタルDNAスイッチ 前回記事はこちら

キラ✨メンタルDNAスイッチ 続編記事はこちら

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【きむら真(生命科学博士)プロフィール】

鳥取大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。
理化学研究所、長寿医療研究センター、ロズウェルパークがん研究所研究員。

日本大学医学部助教を経て、細胞、遺伝子検査、自律神経系、心理調査測定からエビデンス・科学データ解析結果を提供し、健康・心・意識をよりよくするサポートを提供する、サイエンスコンサルタント。

DNA研究~意識科学研究を日常生活や企業活動に実践することで、一人一人の能力を発揮できるストレスフリー、制限フリーな個人、組織づくりをお手伝いをしています。

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