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この宇宙はプラズマでできている vol.021

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰


3.12.「質量数8」の壁を乗り越えると天体(星・銀河)創造の宇宙が始まる

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「宇宙の晴れ上がり」直後は、宇宙は水素やヘリウムなどの原子ガスが漂う空間を光(電磁波)とニュートリノが飛び回っている宇宙です。星や銀河などの天体がまったく存在しない宇宙なのです。前述しましたが「暗黒時代」とも呼ばれている宇宙です。

宇宙が次のステージに相転移するためには、重い原子の創造が不可欠です。その重い原子を創り出す元が星の生成なのです。星ができて燃え、多くの原子を創りだし、そしてその星が爆発(超新星爆発 ※1)して、宇宙に原子をばらまく。そのようなプロセスが宇宙で絶えず起こることにより天体宇宙が創造され、私たち人類の生命を創り出す準備が整いはじめます。

1. 超新星爆発:太陽の8倍以上の重い星が、中心の燃料を使い果たして一瞬にして吹き飛ぶ現象をいう。


〈星の誕生のメカニズの基本は重力の作用です〉

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星の誕生のメカニズムの基本は重力の作用です。ビッグバン宇宙終焉後の宇宙は原子ガスなどが充満していましたが、原子ガスの分布は完全に均一では無かったようです。濃淡があり、ガスの濃い所では重力が強く作用し、周囲のガスなどを引きつけてさらに濃淡が際立っていきます。密度の疎密が生まれます。密度の高いところはより高密度になり、密度が低いところはより低密度になります。重力の作用により密度のコントラストがより強くなっていくことを「重力不安定」と呼びます。

この「重力不安定」の状態では、星をつくるために必要な量の物質を集めるのに非常に時間がかかり、銀河系のような巨大な構造を宇宙創生から現在までの間につくることができないことがわかっています。

この問題を解決するために、現在、考えられているのが、光とは相互作用しない「ダークマター」の存在です。「ダークマター」は銀河宇宙誕生の陰の立て役者であり、「ダークマター」の塊の強い重力の作用によって、この宇宙に最初の、始まりの星が生まれたのです。天体創造の歴史は、以下の図でお確かめください。

① 宇宙に最初の星が誕生した

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宇宙に最初に生まれた星をガス星雲という。大部分が水素の集まりです。ガス星雲は、これから生まれる星の材料となります。ガスの密度の濃い星雲は分子雲と呼ばれ、分子雲は回転しながら集まり、円盤をつくるようになり、円盤の中心では原始星とよばれる星の赤ちゃんが生まれます。

原始星はしだいに温度を上げていき、原始星の中心の温度が約1000万度程度なると、太陽と同じような星として輝きだします。私たちの太陽も、46億年前にこのような姿で誕生しました。

② 軽い星が生まれ白色矮星となって、その一生を終える

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軽い星(私たちの太陽の8倍以下)は、中心の燃料を使い果たすと寿命を迎えます。赤色巨星となった軽い星は表面のガスが広がっていき、星の寿命を終えるのです。中心に残った小さな星(白色わい星)の光をうけて、様々な色に光っているが、やがて宇宙に溶け込んで見えなくなります。

③ 重い星が生まれ超新星爆発を起こして、宇宙に重い元素をばらまく

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重い星(太陽の8倍以上)は、とてつもない大爆発で一生を終えます。中心の燃料を燃やしつくした星は、安定性を失い、バランスを崩し一瞬にして吹き飛びます。その爆発は、ときには太陽の100億倍もの明るさで輝きます。私たちの銀河系の中では100年に1つくらいの割合で超新星爆発が起こっています。

④ 太陽系・地球森羅万象のすべては、宇宙にバラまかれた星屑から生まれた

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星は輝いているあいだ、自分の体の中で燃料を燃やし、さまざまな原子をつくりだします。重い星は最後に超新星爆発を起こし、その体のほとんど全体を吹き飛ばしてしまいます。宇宙に飛び散ったガスは、長い間、宇宙をただよい、またいつか新しい星をつくる材料になります。

夜空に輝く星にも、人間と同じように生と死がある。数百万年、数百億年という長い一生を精一杯生きて新しい星の種を飛ばして、死んでいきます。それをくりかえす姿は、まさに生命と同じといえるのです。


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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等


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