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ストンと落ちる。

突然くる。
ストンと落ちる。
ハイからローに。気のギアが上がらない。
何かがあるわけじゃない。
これは避けられない。
生活には存在する落とし穴。
ストンと落ちちゃうと簡単には上がれない。
エアポケットのような感じだけどもっともっと閉鎖的な。
井戸が一番近い。
さっきまで地上を歩き回ってコーヒーショップを探していたことが信じられないほどに。

これは説明が難しい上に説明する気力も尽きているという二重苦の僕にはなす術がない。

一つ言っておくと井戸に落ちた時は、自己を失っている訳じゃない。むしろ自分と向き合わざるを得ない状況にある。
水の絶えた井戸の底。上を見ても光は満月のようなサイズで到底登れない無力感。そこには自分しかそこには存在しない。

周りに人が居ても自分しか居ない。
スマホに吸い寄せられる顔をコントロール出来ている顔をしている成人男性。
電車に乗っていても買ってもらったであろうブランド品の袋を提げて幸せそうな顔をしているお洒落なカップル。
たった今観てきた映画のパンフレットに齧り付いて読み込んでいる帽子の素敵な女性。

そっち側の生活を営んでいることもある僕なのに、そっち側と隔離されている。

世界は回ってるのに、自分だけがポツリとそこに体操座りしている。体操座りに足が痺れたら自然と立ち上がって地上に出れるのかな。

なんでGW最終日にこんな事になっちゃったんだろ。

朝から降ってた雨のせいかな。

雨が生んだ時間によって自分を見失ってたことを自覚できた気がする。

雨のおかげ。まだまだ降り続けておくれ。

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