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【parkERsの課外授業vol.3】世界トレンド「盆栽 BONSAI」の体感で起こる化学反応とは?

はじめまして、parkERsプランツコーディネート室の市野澤です。

私が所属するparkERsのプランツコーディネート室では、現在、花や植物、ガーデニングに関わるライフスタイルwebマガジン「GardenStory」で月に1回「plants culture caravan」と題した連載を配信しています。

plants culture caravanとは
parkERs プランツコーディネート室のメンバーが、リレー方式で毎月配信している連載コラムのこと。(https://gardenstory.jp/27205)
人と植物の間に築かれてきた文化を未来に伝えるという思いのもと、さまざまな考えを綴っています。


「かつて日本人が過ごしてきた植物や自然との文化を、今の時代の人々に寄り添ったかたちにして発信していきたい。」

そんな想いを持って日々の考えやコンセプトをこちらで綴っています。

そして「plants culture caravan 野外版」は、parkERsのメンバーが実際に外へ出て、体感することで、より新しい植物との関わりを見出していこうという企画です。

これまでに企画したvol.1とvol.2もnoteでご紹介しています。



plants culture caravan 野外版vol.3「清香園」

今回はplants culture caravan 野外版vol.3として、埼玉県さいたま市大宮盆栽村にある「清香園」へ行ってきました。

今や「盆栽 BONSAI」は日本を代表する芸術とされています。

花き業界、園芸業界と花や観葉植物などに関わるさまざまな分野でお仕事をさせていただいている私たちですが、やはり盆栽は特別なもの。

水も土も剪定方法も別格と考えていました。

そんな未知の盆栽について、今回は清香園の山田寅幸さんに盆栽の基本からご教授いただきました。

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山田さんが使命として掲げていることは
「日本人全ての方に盆栽が持つ魅力を伝えること」。


世界から注目されている「盆栽 BONSAI」。
江戸の園芸文化では盆栽は一般的なものだったのにも関わらず、今は “特別なもの” ”贅沢な時間” という印象が強くなっているように思います。

そんな印象を持つ中、「まずは知ってもらいたい!!」と熱い信念でお話してくださる山田さん。

1鉢の奥には、たくさんの人の想いがあると言います。


盆栽の見方とは

ではまず、「いい盆栽」とは何でしょうか。

いい盆栽とは、大木に見えたり、古い樹木と感じることが大切だそうです。

私たちも実際に、下から愛でる視点を学びました。

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下から愛でる目線とはこんな感じ↓

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下からの目線で大樹を感じる

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涼やかな木漏れ日が溢れる1鉢



盆栽をつくってみよう!!

盆栽の基本を学んだあとは、早速盆栽の植え込みの実践です。

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私たちが学んで一番驚いたこと

それは、植栽を植え込むときに行う”植物の正面の捉え方”が真逆だったことです。

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私たちが植物を用いた空間デザインを手がける際、「葉の向き」「幹の流れ」で正面を決めます。

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parkERs 空間デザイン施工事例


しかし盆栽の場合は、「幹が大木となりそうな向き」が正面となるのです。

何十年後を見据え、自分自身の手で一つの世界観を仕立てていく感度間はプロの技術だと感じました。

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盆栽とは、時間を愛でる植物

私たちは空間づくりを行なう中で、"公園に集まる人と情景"を表現し、その中でうまれる時間を提供したいと考えています。

今回体験させていただいた盆栽からも、同じ印象を受けました。

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1年の四季の変化移ろいを感じさせる1鉢…

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1鉢1鉢に何度も挟みを入れ、植え替えをし仕上げる技と年月を感じる1鉢…

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先祖代々引き継ぎ、次期世代へと渡りつぐ1鉢…


1鉢の中にさまざまな時間軸が生まれ、私たちの記憶の中の"原風景"を思い出させてくれます。

たくさんの情報に溢れたこの時代だからこそ、日々の歴史ある文化や人の思いを一層大切にすべきと感じました。


今回快く御協力いただいた清香園の山田さん、石原さん、本当にありがとうございました。

これまで盆栽を取り入れた空間設計は手がけていないため、今後積極的に考えていきたいと思っています。
今後の清香園×parkERsの活動も是非お楽しみに!!

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Living with "BONSAI" Every Day.


この記事を書いた人は

市野澤未和(いちのさわ みわ)
parkERs プランツコーディネーター

美術大学を卒業後、アーティストのもとで生花
(切り花、生け込み、プリザーブドフラワー)を学ぶ。
その後、parkERsのグリーンライフ室で植栽メンテナンスの経験を経て
プランツコーディネーターに。
想いやストーリーを感じられる、花と緑の空間づくりを目指す。