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料理はどこに向かうのか?


コロナが見つかって以降、飲食業界は先の見えない世界へと突入した。
ここフランスではレストラン営業が数ヶ月禁止になり、現在も100%の営業はできていない。
国が保証をしてくれているので従業員はどうにかなっているが、、
経営者は厳しい日々を過ごしている。
年内までは続くと言われているので、今後どうなっていくのだろうか。
保証が出る間はゆっくりすれば良いなんて声も聞こえてくるが。。

最近とあるお客さんに言われた事がある。
「よい食材とかじゃなくて、面白い料理を作って欲しい」と
要するに、シンプルに美味しい料理を出すのではなく、もっと複雑でどこにもない料理が食べたい。と
この気持ちはわからなくもない。
フランスの食材は美味しい。しかし、鮮度の点から言ったら日本以上のものをパリで手に入れるのは極めて難しい。
なので、フランスで美味しい食材と言われていても、日本の美食家からしたら大した事のないものになってしまうのだろう。
そう言う意味での意見だと思った。
しかし、個人的にはそれでもシンプルに美味しい物を出したいと思っている。
フランスには素晴らしい食材がある。現に地方のマルシェなどにいくと素晴らしい食材にしばしば出会える。
それが、パリまで来ていないだけのこと。
シンプルで美味しい。それは日本料理の本質。

では、料理とはなんだろう

師匠には「理を料る」事だと教わった。
それは今でも僕の中に常にある言葉だ。
しかし、個人的にはもっとシンプルでいいと思っている。

料理とは誰かを幸せに出来る物。

ただ、お腹を満たす物を料理とは呼びたくない。
誰かの為に作った料理。
気合の入った料理。
作り手の思いの入った料理。
そう言った物。
そして美味しいと感じる何か。
難しい戯言はいらない。シンプルで良い。
そう言う物が料理だと思う。
料理人が作る物だけが料理ではない。家庭で作るものこそ料理の本質だと思う。

今後、レストランという物は今までのようにはいかなくなってくるかもしれない。 もしかしたら映画の世界のようにボタン一つで料理が出来てしまう日もくるかもしれない。
それでも、僕は誰かの為に料理を作りたいし、誰かに料理を作ってもらいたい。

料理が好きで料理人 
やはりその本質はいつも変わらない所にある。


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