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ちぶり通信4_島の予想以上に生活費がかからない生活



齢27にして時給1000円、労働力しか売るものがない裸の労働者、ワイ。

これだけ書くと甚だ自分のことながら心配になる。天国(か、地獄)にいるマルクスも一緒に憤慨してくれているだろう。

しかしながら、案外、お裾分けや釣りのおかげで金銭的に困っていない。そもそも、お金を使う場所がない。

むしろ生活は以前に比べて豊かになったくらいである。

前職を辞める時は、そのような給与条件で生活していけるのか不安で不安で眠れない夜もあったが、杞憂であった。失った睡眠時間は返ってこない。

東京の基準で地方の暮らしを推し量ってはいけない。

お裾分けの日々

田舎あるあるのお裾分け文化はここ、知夫里島でもしっかり息づいている。
本日は家の前のおじさんに元気に挨拶をしたらサザエをいただいた。とてもありがたい。
挨拶は元気にしてみるものである。

酒蒸しにして熱々のサザエを食す


ちなみにサザエは知夫里島の特産品である。サザエの掴み取り大会なるものも毎年開催されているらしい。


釣り三昧の日々

終業後は毎日釣りをしているので魚には困らない。
職場の前の海が豊穣の海なのでほぼ入れ食いで魚が釣れる。堤防からの釣りはガラカブが良く釣れる傾向にある。

ガラカブ4匹、アジ1匹を煮つけにして食す


自分が食べきれないであろう分はご近所さんにお裾分けしている。
魚のお裾分けの代わりに、野菜を貰ったりする。

商店で売られている野菜の値段は東京よりも高いため、なかなか手が出せない。不足しているビタミンを摂取できる野菜はとてもありがたい。

ちなみに、魚のお裾分けでは、アジが意外と喜ばれる。

アジはすぐにつれる魚ではある。しかし、漁師がわざわざ獲らない魚であるために、釣りでもしない限り、お裾分けなどで入手する機会がないのかも知れない。

余談: ウナギ?


最近釣りをしていると、水面をウニョウニョとウナギのようなものが泳いでいるのに気がついた。ウナギにしては色が白っぽいのでヌタウナギではないかと疑っている。事実、島根県はヌタウナギを韓国に輸出するくらいの漁獲量があるそうなので可能性は高い。
確かめるためにも、是非とも釣ってみたい。ついでにヌメヌメのヌタに触ってみたい。


お裾分けの循環

島で生活していると自分のお裾分けがどういう流れで社会に回っているかが分かって面白い。

以前、サザエを20個くらいお裾分け頂いたので、ご近所さんのAさんにサザエを一部お裾分けしたことがある。その際に、Aさんから代わりにカレードリアを貰った。
実はこのカレードリアであるが、Bさんという別の方から貰ったものだったらしい。加えて、私が以前Bさんにみかんをお裾分けした際に、食べきれない一部をAさんにお裾分けした際の交換として貰ったものとのことだった。

つまり、私のみかんがカレードリアになり、私のサザエと交換で私に渡ってきた。


そう言えば、自分がお裾分けしたみかんが回り回って、職場の差し入れとして自分に返ってきたこともあった。



『人間はモノを交換することが好きなんです。経済活動を行うために貨幣が生まれたのではないのです。逆です。貨幣が生まれたから経済活動が生まれた。貨幣が生まれた理由は高速でモノを交換するためであり、交換したいという欲求は人間の深いところにあるのです。』


文化人類学の教授が講義で言っていたことを思い出した。

人間は交換が好き。

その交換のネットワークに、私が少しでも組み込まれているということが、まるで早くもこの島の一員になれたような気がしてとても嬉しいのである。



では、また!

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