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革のライダースジャケット

少なくとも3年は探した、と思う。

ライダースジャケットと言えば川久保玲氏、あまりに似合うのでジャケットを脱いだところをいまさら想像できない。とてもあんな風には着こなせないし、私のライダース欲は長らく、脳内の憧れフォルダに封印されていた。

とは言いつつ、「ライダースジャケットからインスピレーションを得た」レザージャケットなら、1着だけ持っていた。

ミニマリストな解釈のシュッとしたデザインで、下に何を着ていてもとりあえず羽織ればコーディネートが決まる、素直な良い子。ただ、ちょっと物足りない気分を抱え始めてていた... なんかもっとこう、クセのある、さらっとは羽織らせてくれない手ごわいものが気になるようになってきたのだ。

というわけで、本物のライダースジャケット探しが始まった。

ふむふむ、どうやらライダースジャケットには2種類あるらしい。アメリカタイプとイギリスタイプ。私が脳内の憧れフォルダにしまっていた、丈が短くてベルトのバックルが正面についたタイプは、アメリカンなのか。できればカッコよく枯れたヴィンテージのを見つけたいな。

毎週末の蚤の市とネットで探し続け、1年、2年...。自分のサイズはヴィンテージ市場には存在しないのでは、もう新品のをSchottで買ってしまおうか、と思い始める。でも、店頭で見た女性用の現行品には魅力を感じなかった。どうしてあんなにつるっと軽く都会的にしちゃうんだろう、老舗には大衆の好みに安易に迎合しないで欲しい。かといってメンズだと本当に大きいし、なんか丈も長いし。

探すのに疲れてひと休みした頃に、友人のヴィンテージ服ディーラーがひょいと売りに出しているのを発見した。狂喜!

その友人はガールフレンド(写真を見せてもらったらジゼル・ブンチェン似の美女だった)に贈ろうと思って買ったものの、「私のサイズも正確に覚えてないの?!」と怒られて受け取ってもらえず、ほぼ仕入れ値で売ることにしたと言う。

ドキドキしながら試着すると、いけた!その日すでに何人も試着していたものの、1人もぴったりハマった人がいなかったと。男性にはウエストが細すぎ、女性には胸囲が細すぎるそうで。なんだ、私のため(胸囲がごく控えめな女)に作られたようなサイズではないか。

男性用なので上腕周囲はだいぶ余る(から、ライナーが手首からはみ出る)ものの、肩はちょうどだし、革の表面も良い感じに枯れていて、最高。

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Levi’s 501はもちろん、足首までの長さのフレアスカートとか、ふくらはぎ丈のペンシルスカート&ロングブーツとか、ワンピース&スニーカーなんかと合わせるのが好きだ。春と秋のちょっと肌寒い日にも、さっとカットソーの上に羽織れる。遠目にも強そうに見えるから、これを着ているときはスリにも狙われない気がしている。

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