自分の頭で考えよう① 知識と思考の違い
社会派ブロガーちきりんさんの書籍は全部読んでいますが、その中でも社会人必読と言える2冊があります。「自分のアタマで考えよう」「マーケット感覚を身につけよう」の2冊です。この2冊ではそれぞれ「論理的思考力」と「マーケット感覚」という2つの力について書いているのですが、根本では自分で考える大切を主張しています。
これからしばらくの間、これら2冊を基に「自分で考える大切さ」について考えてみようと思います。
自分のアタマで考えよう
この本の冒頭はあるグラフを考えることから始まります。それは「1970年代と2010年における野球ファンの年齢構成を表すグラフ」です。
あなたなら下の図を見てどう考えますか?
もしかしたらあなたはこのデータを見てこう考えたかもしれません。
・プロ野球ファンの高齢化が進んでいる。
・このままでは日本のプロ野球界の未来は暗い。
・プロ野球界は若いファンを増やすための努力をしていない。
・プロ野球は時代遅れになっている。
・いい選手が大リーグに流出しすぎて、日本の野球は面白くない。
ちきりんさんはこの答えを見て、「これは自分の頭で考えた結果ではない」と考えてしまうと言います。つまり、「グラフを見る前から知っていた知識」なのではないかというのです。
もしあなたがこのグラフを見る前からこれらの意見を言えたのであれば、それは思考の結果ではなく、もともと持っていた知識です。実際、多くの人がプロ野球ファンが高齢化していること、野球の視聴率が大幅に下がっていることを知っています。
知っていることは知識であり、思考の結果とは異なるものです。
では、何も知らない人はどう考えるのか?
日本のプロ野球について何も知識を持たない留学生は訪ねてみます。彼はデータを見ていくつかの質問を投げかけてきます。
「日本では、20~30代と40代以上ではどちらが裕福ですか?」
→40代以上です。
「余暇に使える時間は年代によって同じですか?」
→余暇時間が長いのは定年後の60歳以上です。
それを聞いて彼は自信を持ってこう言います。
「日本のプロ野球の未来はとても明るい。昔に比べてお金持ちのファンが増えています。また定年後で余暇時間の長いファンも増えています。」
彼には日本のプロ野球界の暗い未来は全く浮かびませんでした。自分の頭で考えてみれば、暗い未来に見える野球界も明るい未来が見えてくるのです。
テレビや新聞で報道されるのは景気の悪い情報が多く占めています。それは悲観的なニュースの方がより多くの人々の関心を集められたり、企業のCMで宣伝している商品の売れ行きが伸びるからです。だからついついネガティヴな知識ばかり身につけてしまいます。自分のアタマで考え直してみるとポジティヴな面も見つかるかもしれないのに。
知識とは、「過去の事実の積み重ね」であり、思考とは、「未来に通用する論理の到達点」です。
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