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上場って何なんだ・・・?

東証一部上場企業、マザーズ上場企業・・・こういう言葉を目にするたびに「ヘ〜すごいなぁ」と思ってしまいます。でも、これらを説明してって言われたらできない。ググってみて!で終わります。

自分の勉強がてら、上場についてまとめてみようと思います。

■上場するとは?

上場とは、企業の発行した株式を証券取引所で売買可能にすることです。

企業が事業を行うためには資金が必要です。
そして企業が資金を調達するために、①金融機関からの融資と②株式の発行という2つの方法を取ることができます。上場することで②株式の発行の方法を取ることができます。

株式を発行すれば、企業は経営権の一部を投資家たちの手に委ねることになりますが、代わりに資金を調達することができます。


■上場の種類

日本国内に証券取引所は5箇所あり、上場企業の約9割が上場しているのが「東京証券取引所」になります。さらにその中でも5つの市場が存在しています。

①東証第一部
②東証第二部
③東証マザーズ
④ジャスダック
⑤TOKYO PRO Market

それぞれ詳しく見ていきます。


①東証第一部

東京証券取引所のメイン市場の一つであり、最も審査が厳しい一方で市場規模と流動性も大きい市場です。

審査項目は以下の8つです。

1. 株主数が2,200人以上
2. 流通株式数が20,000単位以上
3. 流通株式時価総額が10億円以上
4. 流通株式比率が35%以上
5. 株式時価総額が250億円以上
6. 事業継続年数が3年以上
7. 純資産額が10億円以上
8. 経常利益が直近2年間で合計5億円以上、もしくは時価総額500億円以上かつ直前期売上高100億円以上

・・・ものすごい大変なんだな。

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②東証第二部

東証第一部と同じくメイン市場でありながら、審査基準が一部ほど厳しくない市場であり、多くの中堅企業が属しています。

審査項目は以下の4つです。

1. 株主数が800人以上
2. 流通株式数が4,000単位以上
3. 流通株式比率が30%以上
4. 株式時価総額が20億円以上

第二部でも800人以上の投資家が必要になるんですね。

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③東証マザーズ

将来的に東証一部や二部への昇格を視野に入れている新興成長企業に向けた市場になります。マザーズ上場企業は上場後10年経過した段階でマザーズ市場に残るのか、第二部に市場変更するのか選択する必要があります。

審査基準は以下の7つです。

1. 株主数が200人以上
2. 流通株式数が2,000単位以上
3. 流通株式時価総額が5億円以上
4. 流通株式比率が25%以上
5. 公募が500単位以上
6. 株式時価総額が10億円以上
7. 事業継続年数が1年以上

純資産や利益の指定もないために赤字企業でも上場申請することができます。ベンチャー企業を調べるとよく目にしますね。

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④ジャスダック

マザーズ同様に成長企業向けの市場です。マザーズとの違いは選択制度が無いことです。そのため、長期間上場し続けている企業も多く存在します。

また、ジャスダックは上場企業を「スタンダード」と「グロース」の2つに区別しており、それぞれの審査基準や内容が異なります。

(1)ジャスダックスタンダード

1. 株主数が200人以上
2. 流通株式時価総額が5億円以上
3. 1,000単位以上、もしくは上場株数の10%以上の公募・売り出し
4. 純資産額が2億円以上
5. 直前期の利益が1億円以上、もしくは時価総額が50億円以上

(2)ジャスダックグロース

スタンダードと比較して、より将来の成長性に注目した企業群を対象とした市場です。利益に関する要件がなく、純資産がくもプラスであれば要件を満たします。その代わりに成長可能性があること、特色ある事業であることが求められます。

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⑤TOKYO PRO Market

成長力のある企業と国内外のプロ投資家をつなぎ合わせることを目指した市場です。

特徴は3つあります。

(1)株主を買い付けできる投資家がプロ投資家(金融機関や国家、上場会社、3億円以上の資産を持つ個人)に限定されること。
(2)「J-Adviser制度(担当企業の上場適格性の審査や上場後の管理支援)」の採用。
(3)上場の際に明確な数値基準がない。上場の際の審査をJ-Adviserが行うため、彼らが上場を承認すれば明確な基準がなくても上場できる。

私はその存在さえも知りませんでしたが、こういう上場の仕方もあるんですね。

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■上場する目的とは?

多くの企業が目指している上場ですが、そのメリットを調べてみました。メリットは大きく5つあります。

①社会的信用が向上する

上記で述べたような審査基準をクリアすることは、企業の安定性や事業の将来性が公的に認められたことを意味して、社会的信用を向上させます。

②資金調達がしやすくなる

企業の信用度や知名度が向上すれば、新しい事業を始める際に銀行や信用金庫からの融資を得やすくなります。

③優秀な人材が確保できる

私も就職活動をしていたから良くわかりますが、上場企業というだけで周りの人(特に親や親戚)は安心したりします。

④健全な経営体制を構築できる

上場するための審査基準を満たす改善活動の中で、法令順守や内部統制、企業統治など不正のない経営体制を構築できます。

⑤イグジットによって利益を得る

一般的に上場した際には企業の株価は高騰します。そこで、株式を売却することでこれまでの投資分を回収しつつ、さらなる利益を得ることができます。


■最後に・・・

日本取引所グループ(JPX)が発表しているデータ(2019年11月29日)によると、

第一部2,157社
第二部486社
マザーズ302社
ジャスダック(スタンダード)672社
ジャスダック(クローズ)37社

計3,647社が上場しています。

一見多く見えますが、日本の企業数は約410万社。 そのうち個人事業主(約240万社)をマイナスして考えれば、約170万社のうちで上場できていると考えるとすごいことだなぁと思ったりします。

何かの参考になれば幸いです。

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