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リクルート事件から考える

昭和から平成へと変化する時代、世の中を騒がせた「リクルート事件」について取り上げた番組を観ました。「リクルート事件」という黒い出来事を題材にしていますが、その内容はまさにビジネス成功に必要なエッセンスが詰まっています。記録しておこうと思います。

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◆東京大学新聞部時代

リクルートの元社長江副氏は、東京大学の新聞部で学生向けの新聞を作っていました。当時新聞部の営業係だった江副氏はある時、大学新聞に企業の情報を取り入れることを思いつきます。当時の大学新聞の広告といえば参考書の宣伝などがメインであり、企業の就職情報などどこにもありません。江副氏が取った広告も初めは1社だけの広告で小さな一隅の広告でした。しかし1週間後にはそれが紙面の3分の1を占めるほどになりました。

優秀な学生を採用したい企業と学生をつなぐ橋渡しをする

これがリクルートの始まりだったのです。

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◆リクルート創業時代

情報は金になる」ことに気づいた江副氏は大学卒業後に起業します。そして、就職活動をする学生に対して企業情報をまとめた冊子を作成しました。それが学生の間で評判になります。

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しかし、就職シーズンは限られておりピークシーズン以外は仕事がありません。そこで、「広告をまとめた本」を作るアイデアを思いつきました。広告にお金を出して買う馬鹿はいないと皆が反対する中で、江副氏は「誰もやってないからやることに価値がある」と愚直に行動します。そしてそれが大ヒット。企業から広告費をもらい、顧客から情報量をもらい、2重の売上を手にしたリクルートは業績を伸ばして成長を続けるのでした。

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◆リクルート事件

成長を続けるリクルートに財政界からも声がかかります。しかしそこで江副氏にかけられた言葉は痛切なものでした。

「情報だけで何も生み出していないリクルートを認めない。ものを生み出さない企業が成長することは良いと思わない」

製造業ではなく虚業であるという考えにショックを受けた江副氏は認めてもらいたいという一心で企業との繋がりを強化しようと行動します。リクルート本社地下1階の会員制バーで接待をしたり、未公開株を力のある権力者にばらまきました。しかし行き過ぎた行動はリークされて、世間からも強く批判されてついに江副氏は社長退任に追い込まれました。


◆リクルート事件から学ぶこと

リクルート成長ほ根本は「誰もしていないことに価値がある」という考えにあると思います。製造業第一の時代に情報の価値に気づき行動する。気づき行動することが、新たなビジネスを生み出すために必要だと思います。

ダイエーは当時高かった食料品や衣料品や家電を安く提供する価値に気づき、成功しました。イオンは自動車時代には駐車場が広い土地に価値があると気づき、郊外の広い土地に出店しました。アマゾンは人の買い物の手間を省くことに価値があると気づき、インターネット通販を始めました。

1957年にダイエーが創業してから2020年の現代に至るまで、我々の生活は急速に変化し続けています。

これから我々の時代はどうなるのか?
まだ誰もしていない気づきこそ価値があるかもしれません。





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