社会に与える影響への責任
昨今話題となっているテラスハウス問題。
ネットの誹謗中傷も問題視されていますが、Twitterの責任問題、フジテレビやNetflixのサポート体制についても責任を問われています。私はずっとドラッカーばかり読んでいるのですが、今問題となっているTwitterや番組制作会社は、かつて「死の商人」と呼ばれたフォード社によく似ているなぁと思います。
「過去のフォード社」を基に「現代のSNS」を考えることで、「未来のSNSはどうなるのか」を考えることができます。
▼過去 「死の商人」と呼ばれたフォード社
フォード社はアメリカの自動車メーカー。作業の中にベルトコンベアを組み込み車の大量生産を実現した企業です。
1940年末から50年初めにかけて、フォード社は「車の安全性の向上」を考え、シートベルト付きの車を売り出すことにしました。しかし当時の顧客は車に安全性を求めておらず、売り行きはあまり好調ではありません。安全性より目先の利益を考えたフォード社はシートベルト付きの車の販売を終了します。そして、それまでと変えることなく、安い車を大量に製造し続けました。
フォード社が安全性という概念を捨ててから15年が経った後、大量に製造された車が道路を走り出します。その結果、交通事故が多発し世の中に「安全性」を求める声が強くなりました。それと同時に、安全性が欠けた車を多く輩出したフォード社は「死の商人」と呼ばれ、大衆から激しい非難を浴びるようになりました。
その結果、市民を守るためだけでなく、メーカーを罰するための法律が次から次へと作られました。フォード社は自ら生んだ問題についての責任を問われることになったのです。
▼現在 問題視されているSNSの誹謗中傷
今回のテラスハウス以前から、ネットの誹謗中傷は世界中で問題となっていました。バイトテロと呼ばれるいたずら投稿、炎上マーケティングと呼ばれる商法、度々炎上する有名人、韓国で起こる指殺人…どれも拡散力が強いSNSだからこそ発生する問題です。
そして、Twitter、Google、Facebookはこれらの問題に対して抜本的な対策を打ってきませんでした。まさに、安全性を無視したフォード社のようです。しかし、そんな状況がいつまでも許されるはずがありません。
実際、ドイツでは2018年にヘイトスピーチ取締法が施行され、SNS事業者に厳しい法律が課せられました。
「明らかに違法な」投稿を24時間以内に削除しないサイトは、最大5000万ユーロ(約68億円)の罰金を科せられる可能性がある。
この法律によってドイツでSNSを運営する企業はその治安を強化しました。
日本でもまたSNS事業者への罰が強化される流れが来ています。人を誹謗中傷するアカウントに対する「個人情報開示請求」が簡素化されたり、個人情報を守るためのGDPR対策が求められています。まさにかつて「安全性」を問われたフォード社のようです。
▼未来 SNSは今後どうなるのか?
企業は社会に及ぼす影響についての責任を取らなくてはいけない。そうでなければ社会から淘汰される。それが世の原則です。
そして、そのためにマネジメントはあります。マネジメントによって企業は自らが及ぼす影響をしっかり認識し、その問題に対する対策を打たなくてはならないのです。かつてのフォード社もSNS事業者も本来はマネジメントが取るべき責任を怠ったために問題を生み出しました。
これから、SNSのルールはどんどん構築されていくでしょう。
現代の我々が車を運転するときはシートベルトを装着するように、未来の我々がSNSを利用するときは一定のルールの下で行動する必要があるでしょう。そう考えると今が一番自由にSNSを利用できる時代かもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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