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陰謀論と家族と

はじめに

なにかのご縁でこれを読んでいるみなさん。こんにちわ。こんばんわ。

ねこと申します。
私は現在、「陰謀論や疑似科学に傾倒した親を持つ方々」を研究しております。

まず、私が扱う陰謀論や疑似科学について説明します。
知ってるよという方は読み飛ばして下さい。

陰謀論や疑似科学って?

まず、ここで言う陰謀論とは、例えば、「コロナワクチンは科学兵器」、「トランプ大統領はDSと闘っている」、といった言説です。
次に、疑似科学とは、例えば、「コロナには〇〇が効くらしい」、「コロナは5Gによって拡散される」、といった言説です。

上記のような陰謀論や疑似科学のような言説の共通点として、

①科学的根拠がない
②何か巨大な悪や善といった二項対立のストーリーで構築されている
③コロナ流行以降に急速に広まった

という3点があると考えております。

私が行う研究では、上記のような言説の真偽については焦点を当てません
このようなアプローチをとる最大の理由は、「言説の真偽にかかわらず、言説の支持・不支持の立場の違いから、現実の人間関係、特に家族関係において大きな亀裂が生じている」事自体を重要視したためです。

親のことだからこそ誰にも相談できない

実は私自身も「陰謀論や疑似科学に傾倒した親」(以下「親」という。)がいます。
だからこそわかるのですが、「親がよくわからん陰謀論を言ってきた…」とか「よくわからんサプリを買っている…」といったことは親しい友人なんかには恥ずかしくて相談できませんでした

私自身はそういった言説に対してものすごい拒否反応があったというわけでありません。むしろ、UFOや都市伝説みたいなものジャンルのものを娯楽として楽しんでいました。

しかし、私の親は娯楽としてではなく、今起こっている事実として受け取っているようでした。
科学的根拠のないサプリやよくわからん魔除けと称される何かを購入したりしていました。百歩譲ってそこまではいいのですが、コロナワクチンに関しては「頼むから打たないでほしい」と言われるようになり、実際の生活に影響が出るようになってきました。

そして、親との心理的な距離が次第に延びていきました。

そんな中、Note のある記事に出会いました。ぺんたんさんという方が書いた「母親を陰謀論で失った」という記事です。
https://note.com/pentan_k2/n/nef0f251a71e5
この記事を読んだとき、「自分と同じような境遇の人が情報発信を行っているんだ…」とショックを覚えました。なぜなら、私は親についてインターネット上で発信しようなんて思ったことすらないからです。

その後、TwitterやNote、個人ブログなど自分と同じような境遇の人がこんなにもいるんだということが素直に驚きでした。また、そのような方々の記事を拝見すると、「自分だけじゃないんだ…」と励まされる気持ちでした。

ここから、「同じ境遇でも私と彼らの違いは何なのだろうか?」、「インターネット上で発信を行ってくださる動機は何なのだろうか?」、という疑問が湧いてきました。

この問題が社会的にさらに周知され、解決策や社会的な支援の必要性の議論につなげていくためには、同じような境遇の方が一人でも多く声を挙げる必要があると思っています。

一方で私自身もそうだったように、デリケートでプライベートな問題のため、現実の世界ですら相談するのが恥ずかしく、どこにも相談できずに困っている方がたくさんいると推察しています。この問題はかなり根深く、同じ境遇の人がどのくらいいるのか全体像すら把握できていないのが現状です。

こういった問題を解決するための一助として、今回私は「陰謀論や疑似科学に傾倒した親を持つ方々」の生の声をお聞かせいただければと思っております。

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