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パラリアの二次会、第16夜の解説


おはようございます。今回は、第16夜の解説です。

アーレントという思想家の話が後半の軸になるので、一見難しそうですが、音声中でもしっかり説明されるので、安心して聞けると思います。

また二次会の中では短めなので、聞きやすいと思います。


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【内容の紹介】

 今回は、序盤で1対1の教育、つまり家庭教師が質的に良いという話から始まり、塾の形式が、集団授業、映像授業、個別指導、自習と展開していったことについて話しています。

 後半は、塾は社会で生きていくこととつながっている(学習塾も、「いい大学に行くことで、社会で良い位置につける」という点で、社会に出ることと結びついている)ことから、どのような労働を見据えて何を教えるのか、そもそも教育とはどういう労働なのかといった話をしています。

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【用語解説】

50秒ごろ「ザインとゾレン」
ドイツ語、SeinとSollen。日本語で言うと、「である(存在)」と「べし(当為)」、英語で言うと、beとshouldのこと。
一般に、「である」から「べし」は導けないし、逆に「べし」から「である」も導けないとされる。
例えば、「マスクを早期に全世帯に配布すべき」だからといって、「現実に早期に全世帯に配布されている」ということにはならないし、「事実としてここ数日大阪での感染者が出ていない」ことから直接「府知事のいうことに従うべき」ということが言えるわけではない。


5分「アリストテレス」「アレクサンドロス」
アリストテレスは古代ギリシアの哲学者のこと、自然学にも詳しく、万学の祖と言われる。
アレクサンドロスは古代ギリシアの都市・マケドニアの王で、ギリシアから東に遠征し、今のトルコやイランなどを征服し、北インドにまで到達するほどの大帝国を築いた。
アレクサンドロスが若い頃、家庭教師としてアリストテレスに教わっており、アリストテレスがした自然学の話が、アレクサンドロスの好奇心をそそり、大遠征につながったという伝説もある。

7分「マスプロ」
「マス・プロダクション(大量生産)」の略。教育においては、1人あるいは少数の教師が、大勢に向かってレクチャーする形式のこと。少人数時授業やゼミと対比される。
欠点はいくらでもあると思うが、利点は、効率よく大勢に内容を伝えられることか。

27分「ケインズ」
20世紀の経済学者。従来は恐慌の際、政府はあまり行動しないほうがいいと考えられていたのに対し、景気を回復させるために政府は公共事業を積極的に行うべきだと主張したとされる。今では当たり前になっているような政策を理論化した人物。

29分「ジンメル」
19世紀ドイツの社会学者。「形式社会学」という独自の社会学を作り出した。邦訳もいろいろあるが、1冊だけ(ジンメル自身の著作ジンメルに関する面白い論文が収録されている本)。

36分「ハイデガー」
20世紀最大の哲学者。『存在と時間』で知られており、音声中で出てきた「世界内存在」や「世界性」といった概念もこの本の中で現れる(ただし、講義録の方がわかりやすいという話もある)。


以上になります。今回もご覧いただきありがとうございました。

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