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【panpanya漫画考察】『枕魚』

今回は、私の推し漫画家 panpanyaの考察記事です。

noterのひいろさんにご紹介いただきました。ありがとうございます!
ブックオフでpanpanyaを見かけたそうです。
みんなもブックオフへダッシュだ!
ひいろさんのnoteは、他のnoterさんとも交流がたくさんあって楽しいです。おすすめです。

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▽過去の考察記事「キオクだけが町」▽

この記事で色々と調べた結果、panpanyaは「現実」と「空想」の混ぜ具合が絶妙であると改めて気づかされた。

そこで気になったのが、単行本タイトルにもなっている「枕魚」というお話である。

※この話も「キオクだけが町」同様、ネタバレ有りです。
 ぜひ漫画本編を先に読んでみてね。



「枕魚」あらすじ

枕を買い替えにふとん屋へいくと、「マクラウオ」なるオーダーメイドの枕を紹介され、鹿児島県枕崎市へ向かうことに。そこでマクラウオ販売店「枕魚」の店主は、「枕とはマクラ魚という実在の魚を模したものである。古くはマクラウオそのものを枕として頭に敷いて寝ていたのである」と説明する。

・「枕崎市」「枕崎駅」

枕崎駅に降り立った主人公たちは「言われてみれば(枕の)本場っぽい地名ではありますね」と納得する。
この冗談みたいな台詞を聞くと「枕崎」という言葉自体フィクションなのかと思ってしまうが、枕崎市も枕崎駅も鹿児島県に実在する
204ページ3コマ目には木造瓦屋根の枕崎駅が描かれている。これは実在の駅とは異なるが、周辺にヤシの木が生えている点は同じだ。枕崎駅はJR最南端
の終着駅であり、温暖な気候であるらしい。

・「枕崎市」は「枕と鰹のまち」なのか?

「ようこそ!!枕と鰹のまち 枕崎」
枕崎市の南部には鰹の水揚げが全国有数規模の枕崎漁港があるため、「鰹のまち」は正しい。
「マクラウオ」なる魚はもちろん実在しないが、枕崎市の由来が枕から来ているようなので、「枕のまち」といえなくもない。

東シナ海に面した浦の岩瀬に、枕箱にはいった御神体が漂着。浦人が近くの森に堂守を建てて、これを安置したことによる

「JLogos 全辞書一括無料検索」→都市データパック「枕崎市」
http://www.jlogos.com/index.html?header=1

・「マクラウオ」のモチーフとなった魚

「枕魚」に入店した後、店主が「マクラウオ」の生態について説明しはじめる。
「マクラウオ スズキ目マナガツオ科の回遊魚。体長は成魚で45~60cmほど。温かい海に生息し、暖流に乗って日本近海へやってくる」

体長、体高が高く扁平な体型、主に東シナ海西部で漁獲される点マクラウオの特徴はマナガツオのそれと一致する点が多い。
ただマクラウオの方がより体高があり、頭を乗せやすそうな見た目にはなっている。
空想の魚ではあるが、うまい具合に枕とカツオをつなげて、さも枕に最適であるかのような姿が描かれているのだ。

ちなみに「枕」の語源は「マクラウオ」ではなく、動詞のまく(巻く、まるくたたむ)が語源とされるのが通説である。
タオルのようなうすべったいものをくるくると巻いて、頭の下に敷いたのが始まりではないかと言われている。

ちなみに、主人公たちはちゃっかり鰹料理も堪能して帰っている。
もしかすると、panpanya自身も実際に枕崎駅に降り立ち、枕崎の海の幸を堪能したのかもしれない。


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