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テディベアを拾った話②拾った玩具の足跡を辿る

前回、散歩中に拾ったテディベア「ビーニーベイビーズ」が90年代にバブル旋風を巻き起こし、ネットオークションで最高価格228万円にまで高騰していたという衝撃の事実を知った。

▽前回の記事です。ぬいぐるみの名前はラクスちゃんです。▽

さて、商品価値をさらにあげるべく、テディベアを製造する「Ty社」の創業者・ワーナー氏は新たなアイディアを練っていた。

ラクスの耳についてるタグはこれだったのか。確認してみよう。

この左耳のハートを・・・


パカッと。失礼します。

少々見えづらいが、「DATE OF BIRTH:March 13,2001」とある。
ラクスは2001年3月13日が誕生日だ。

昔、誕生日ごとにデザインが違うクマの人形売ってなかったっけ。
あれを思い出した。
デザインが365種類あるんだよな。
友達の誕生日のクマを買ってプレゼントしたり、よくしたものだが、ビーニーベイビーズも同じようなものだったのかもしれない。

「あなたのお誕生日の限定版ビーニーズを送ります♡(228万円)
ヘビーすぎる。愛が重すぎる。

こういうのです。「365日のバースデーテディ」というらしい。
バブル最盛期。もはや全米で社会現象と化している。

ということで、「ビーニーベイビーズバブル」は2000年頃に収束したのだった。

散歩中に拾ったぬいぐるみから、こんな物語につながるなんて…感動的だ。ラクスを握りしめていた手にも自然と力が入る。
「DATE OF BIRTH:March 13,2001」
ビーニーバブルがはじけた後にラクスは誕生したんだな。

誕生日はわかった。あと気になるのは、ラクスのルーツだ。
ラクスはもともと、誰のものだったんだろう。

そうと決まれば現場に戻ろう。
私は、あの日散歩した道を辿った。

ラクスを発見した、「ご自由にお持ち帰りください」の箱は個人商店の軒先に置かれていた。(慌てて持ち去ったのでこの場所のことも忘れていた。探すのに苦労した。)


こんな感じのお店。
実際の店舗には店名が大きく書かれているため、イメージです。

レジ番をしていたおばあちゃんによると、「あの箱には近所の人が持ち込んだものも入っていて、ぬいぐるみの持ち主は分からない」ということだった。
そうだったのか…残念だけど仕方ない。
肩を落とす私の姿は、よっぽど熱心なコレクターに映ったのだろう。
おばあちゃんが優しい言葉をかけてくれた。

「あれ、他のもあるよ」

やったねラクスちゃん!家族が増えたよ!

ラクスの持主は分からなかったが、思いがけずご近所さんのやさしさにふれた。

さて、ビーニーベイビーズは、リニューアルされて現在も販売されている。ここまできたら、現行のビーニーズもぜひ入手したいものだ。
私は右手に握りしめていたラクスをスマホへ持ち替え、すぐさま日本にあるTy販売代理店「メテオAPAC株式会社」へ電話をかけた。

とっさにめっちゃ嘘ついてしまった。
タダで拾ったとは言えないし、私の並々ならぬビーニーへの熱意をそのまま伝えたらきっとひかれる。
「自分の子どもに」ではなく「親戚の子」というのがギリギリのラインである。
流石にテディベア1個買うために居もしない我が子を捏造するわけにはイカン。

無事に誤解が解け(いや誤解されたまま)、丁寧な回答を頂けた。

結論としては、企業の倉庫へ卸しているため、その後どの店舗に並ぶかは「基本的には分からない」とのこと。

しかし、ここで諦めるわけにはいかない。
架空の子どものために食い下がる私。

親切なお姉さんは納品記録まで調べてくれた(ほんまにすいません)。
結果、私の家から行ける範囲なら
文具雑貨店 COMPASS
・ドンキホーテ
・ヨドバシカメラ
に最近納品した記録が見つかった。

よし、買いに行こう!

果たして現行品のビーニーベイビーズは手に入るのか。
次回をお楽しみに。

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