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最高価格228万円のテディベアを道端で拾った日の話

はじめに

はじめまして。二度目ましての方は、二度目まして。
「ゆきみ」といいます。
今回のエッセイ、実は私の初作品です。
今まで、公開のタイミングが分からずほったらかしていました。

が、このたびnoteで「私の習慣」というお題を見つけて「ハイ、今!」と思い立った次第です。

私の習慣はズバリ「散歩」です。
このエッセイは「散歩中に見つけたものから、文章を書く」というアイディアをくれた、私にとって特別な物語です。

ちなみに、この頃はwordで文章を編集していました。
(まだ、誰にも見せるつもりがなかったので。笑)

前置きが長くなりましたが、どうぞ!

*******

GW明けの5月某日、いつもと違う道を散歩していたら妙なものを見つけた。

 

「御自由におもちかえりください」とある。

持ち帰ろう、ぜひとも!

ピンクのマーブル模様のテディベアを直感で選んだ。
色もかわいいし、耳についている赤いハートのタグがなんか誇らしげでヨキだ。

箱からテディベアを拾い上げて抱っこしてみたら、なんか不思議と充足感がわいてきた。こんなステキな出会いがあるなんて、今日はいい1日になりそう♪

…と同時に羞恥心もわいてきた。

時刻は午前8時。出勤途中のサラリーマンが一心不乱にこちらへ歩いてくるのがめちゃくちゃ目につく。

私はテディベアを鞄に放り込んでそそくさとその場を後にした。
「御自由に」とあったのだからもっと堂々と持ち歩けばよいものを。


帰宅してから戦利品を観察してみた。
タグに「The Beanie Babies Collection」とある。
調べてみたら「Ty(タイ)」というアメリカの会社のぬいぐるみ「ビーニーベイビーズ」のシリーズ作品の1つらしい。
Tyは世界規模で展開していて日本語のサイトもある。

胸に「Ty 15years」とあるので、これはビーニーベイビーシリーズ15周年記念版のぬいぐるみだろう。
耳についている「Ty」のタグは社名だったのか。

お腹のあたりを手で押してみると、ジャリジャリした感触がある。
綿じゃなくてビーズが入っているんだな。
これはTy社が最初に開発した商品が、中に「豆」を詰めた猫のぬいぐるみであることに由来しているようだ。

眺めていてあることに気が付いた。
こいつの色味…なんか既視感あるな。
 
分かった。
完全にあいつだ。
このテディベア、あいつの髪と同じ色してる。

あの方です。

このテディベアの名前は、私がオタク真っ盛りだった頃に親友を腐女子の沼に陥れた某ロボットアニメの登場人物にちなんで「ラクス」と名付けよう。
親友を沼にはめたのはピンクの人じゃなくて石田彰がやってた紺色の髪の人だったと思うが、まあいい。

「ラクス」はとうの昔に廃盤になっているようで、ネットで調べてもメルカリやら海外のネットオークションやらでしか売られていなかった。
ちなみに現在の販売価格は2000円前後。タダだった割にはそこそこいいのではないか。

…などと思っていたら、後々どえらい事実が判明したのでもうしばらくお付き合いください。

ビーニーベイビーズ、Ty、などで検索かけまくって遊んでいたら、予測検索に「ビーニーベイビーズ バブル」というワードが突如出現した。
バブルってなんだろう。
シャボン玉ふいてるクマちゃんとか売ってるんだろうか。だとしたらカワイイ。

なんて思ってクリックしたらYoutube動画に飛んだ。

参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=aLa2znT_ph0&t=39s

いやバブル経済のバブルかい!
裏手でツッコミを入れていたら動画が始まった。

※「定価900円」は動画投稿当時(2022年1月)の価格と思われる

ラクス、プレミアがつくほど流行ってたのか。
今でいうポケモンとか遊戯王のカードが数十万するみたいなことかな。
かいりきリザードンのカードが5000万円もするとか、子どもの頃には夢にも思わんかったわ。

え、思ってたんと違う。
めっちゃ作為的にブーム起こしてた。
販売期間と数を最初から制限してたわけね。炎上マーケティングだ。

ラクスの家族288万円で売られとるやんけ!


というわけで、とんでもない過去に辿り着いてしまった。
私が2023年に0円で拾ったビーニーベイビーズシリーズは、90年代には288万円まで高騰していたのだ。

さて、この異常なテディベアバブルはいつ崩壊したのか。

また、私のラクスちゃんはどこからやってきたのだろう。

次回はこの謎に迫ります。
長い散歩になりそうだ。

↓ つづきはこちら ↓


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