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ハンモックのあるカフェにて


出掛けた先でカフェに入った。外から見ると窓ガラス越しにハンモックが見える、二階建ての建物。わたしが選んだ席の隣のハンモックで女の子が揺られていた。

おかっぱで前髪の短い、よく日に焼けた女の子。その子と話してみたくなったので、思い切って話しかけてみた。来年小学生になる6歳だそう。名前を聞いたらわたしと同じ名前だった。それをその子に話したら、すこし照れたような嬉しそうな顔をして、「ほんとに?!」と笑っていた。わたしもなんだか嬉しくなった。

ハンモックにすっぽり収まるその子のサイズがうらやましくなった。その日に初めて出会った同じ名前の女の子と、ゆらゆらハンモックに揺られる。心地よかった。

その子みたいなかわいいおかっぱではなかったけれど、わたしも小さい頃おかっぱだった。このあとは図書館に行くらしい。本も好きなのかな。名前とおかっぱと本が好き。小さな共通点が重なって、ふっと笑みがこぼれた。

お母さんと一緒にお店の前の坂を下っていくその子がまだハンモックに揺られているわたしの方を見上げたので、手を振った。照れたように笑って、姿が見えなくなるまで手を振り返してくれた。さきちゃん、ありがとう。


最後までお読みいただき、ありがとうございます! 泣いたり笑ったりしながらゆっくりと進んでいたら、またどこかで会えるかも...。そのときを楽しみにしています。