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梅の薫り、いとあはれなり

まだまだ寒いですが、私の住む地域では梅の花がちらほら咲き始めました。

もっと若い頃は、桜の華やかさにばかり気を取られてあまり梅のお花に心を向けられなかったけれど、まだまだ冬の薫りが漂う中で咲き始め、ふとした瞬間に甘い香りをふわっと鼻腔に届けてくれる可憐な梅の花がとても好きになってきました。

「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」

菅原道真公


菅原道真公が、京都から大宰府へいわれのない罪で左遷される折に、自邸の梅の木に別れを告げるために詠んだとされているこの歌、悲しい歌ではあるのですが、本当に梅の花の甘酸っぱい香りが風に乗って香ってきそうな感覚になります。実際に道真公を慕った梅の木は、一夜にして大宰府まで飛んできたとか。でも何だかそんなこともあるんじゃないかなと思ってしまいます。

今でも梅の季節に外を歩いていると、ふとどこからともなく梅の香りが漂ってくることがありますよね。

中学受験の時、大学受験の時、学問の神様である菅原道真公が祀られている北野天満宮に度々お参りさせていただいたこともあり、私は梅のお花を見ると何だか受験を思い出します。
また、どなたかからいただき勉強に使っていた太宰府天満宮の鉛筆に、この道真公のお歌が書かれており、知らぬ間にこの歌も覚えていました(笑)そんなわけで受験を連想させて嫌だったけれど、やっとシンプルにこの歌が本当にしみじみ美しいなと感じるようになりました。

梅の花を心から愛でることができるようになったのも、色々苦い思い出もある受験生だった当時の想いを受け入れていくことが少しずつできていっているからなのかもしれないなとも思います。

そして北野天満宮の思い出は祖母の思い出でもあります。
女性が今よりもっと人生の選択肢が少ない時代に生まれ育った祖母は、孫である私に自由に羽ばたくことのできる人生をすごく望んでいました。だからこそ『学問』を孫にしっかり習得して欲しかったのだと思います。

私自身、ホロスコープのASCも月も火星も射手座で、自由や広い世界に対しての欲求が強いと自覚しています。

でも同時にどんなに遠くに行けても、心の中が自由でなければ、真に自由は感じられないのだと、今は思っています。

梅のお花のフラワーエッセンスとかないのかなと思っていたらありました。いつか試して見たいですし、自分でも梅のお花を天然の湧き水に浮かべて、お日様の光にあててエッセンスを作ってみたいものです。
お花の色によってエッセンスのエネルギーも違うのでしょうね。

とりあえず今は、これからどんどん咲いていく梅のお花から「あはれ」をしみじみと感じたいです。

そうそう、梅の香りのお香も聞いてみたいな。

梅の色をイメージしたお着物なんかも楽しんでみたい。

まだまだ寒い早春の時期に、こんなトキメキをたくさん与えてくれる梅に感謝ですね。




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