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ボードゲームで映画語り『ゴーン・ガール』編

映画では登場人物の心の内を構図であったり、衣装であったり、BGMなどで象徴させることがありますね。映画『ゴーン・ガール』ではボードゲームがその役目を担っていると思われるシーンがあります。

劇中に登場する古典的ボードゲームの数々

夫婦の危機を抱えている主人公、ベン・アフレックが演じるニック・ダンは物語の冒頭で「妻が何を考えているかわからない」と、双子の妹・マーゴが店主をしているBARへと相談に出向きます。その際、ボードゲーム好きの彼が小脇に抱えているのが『マスターマインド』。


普段ボードゲームをしない方のためにカンタンに説明しておくと、マスターマインドは二人対戦専用ゲームです。片方がコードメイカー(出題者)となり、8色あるピンの内4つを選び、相手に見えぬよう衝立の手前に配列します。もう一方はコードブレイカー(解答者)となりヒントをもらいつつその配列を推理して当てるというゲームになります。なるほど、いつの世も夫には妻の気持ちがわからないものです


バーカウンターを挟み、マーゴとゲームに興じながらニックはこれまでの夫婦の軌跡を語る(グチる?)のですが、その際に遊んでいるのは「人生ゲーム」。こちらは説明するまでもなくまんまのゲームがあてがわれていますね。

ちなみに冒頭のマスターマインドは、マーゴが「このゲーム大嫌い」とバックバー下の棚にソッコーで片づけてしまいます。

この時、棚には複数のボードゲームが納められており、カゲゾウが見た限りでは『レッツ・メイク・ア・ディール』『エマージェンシー!』『ビンゴ』『ヤッツィー』「バックギャモン」『ウィジャ』などが確認できました。


バックギャモンはお互いのコマを邪魔し、邪魔されるレースゲーム(夫婦生活の暗喩?)ですし、エマージェンシー!(緊急事態)というタイトルもイミシン。ウィジャはいわゆるコックリさんなので、降霊術を使ってでも相手の心を知りたいのか……。

ただ、この棚に関してはこちらが深読みしすぎているだけで、タイトル群に特に意味がないような気もします。

後半にはモダンなボードゲームも登場!

ちなみに『ドミニオン』と『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』も登場するのですが、こちらは物語終盤でネタバレにも関わるところなので本コラムでは触れません。


『ゴーン・ガール』をすでに観た、あるいはネタバレ上等という方は下記の記事で考察されていますのでどうぞ。

考察によれば、後半の2つのタイトルにある種の匂わせがあるという意見もありますし、あれは単なる宣伝だったのでは? という意見もあるそうです。

あ、ちなみに最後にいっておくとこの作品はホラー映画です。いや、訂正。ジャンルとしては全くホラーではないのですが、男(特に既婚者)なら震え上がるほどおっかねぇ~映画であると一応忠告しておきましょう。

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