月下の動悸
月下の動機
コロコロと音がする
夜風の心地よい冷たさが肌を撫でて
僕の心臓はギュッと掴まれた
コロコロと声がする
足下の草花はこそばゆくて
僕の心はキュルっとおどった
コロコロと流れている
水の匂いは少し甘くて
早まる鼓動に合わせるマーチ
〜秘密の夜は月下に伸びている〜
覗いても見えない僕の淵
見えるは今日の一番星
輝く水面は重そうで
落ちたら僕は沈んで
いくんだろうな、奥深くに
溺れるんだろうな、簡単に
それでも
怖さを感じないのは
裏側に別の生き方があると思っているから
月明かりに
引き寄せられた僕を
夢中で歩く僕の足を
止めてくれるな
花菖蒲
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