見出し画像

妖怪”下書き”を成敗する

noteを執筆しようと「投稿」ボタンを押すと、公開せず下書きのままの記事が最新版から3つほど表示されている。いつもなら気にせずに新しく記事を書き始めるのだけれど、今日はなんとなく気になって下書きの一覧を見てみた。

そうすると、あるわあるわ30件近くの下書きがそこに並んでいる

一番古いものは2015年だからもう10年近く前のもの。試しに開いてみると、タイトルがあるのみで本文は1文字も書かれていない。

さて、当時はいったい何を書こうとして下書きを残したのか、いくつかのタイトルから思い出してみよう。

殺し合う

まあ物騒なタイトル。人間はなぜ同じ種同士殺しあうんだろう、というテーマで持論が書きたかったのだと思われる。必要以上に数が増えると動物は共食いを始めるように、人間も自分の手で間引きをしているんだ、ということを書きたかったんだと思う。

サクラ猫

サクラ猫とは、野良猫が増えすぎないようにと、不妊・去勢手術をした証明にとその耳の一部をカットされた猫のこと。野良猫が増える状況を招いたのは人間なのに、猫のほうの子孫を作る機能を切り捨ててしまうとはなんと人間は身勝手な動物なのか、と。

下書きを残したのは、ウチの猫たちをもらい受けるずっと前のこと。ウチの猫たちはどちらも保護猫で、さらに片方はサクラ猫で、不妊・去勢済みであることを認識した上で迎え入れている。なのでその意義やそういう活動をしている人たちのことは、今となっては理解しているつもりなんだけれどね。

環境問題

これは確か、環境問題に関して「地球を守ろう」というようなキーワードに対して、いや、環境ってあくまでも「人間にとって生存しやすい環境」ということであって、大気の中に炭酸ガスが増えようが、温暖化しようが、困るのは人間であって地球は一向に困らないよ、というような文脈を考えていたようだ。

残飯

うん、これはなんだったかな。忘れた。


なんだか、シニカルで社会派気取りの記事を書きたかったと思われる、10年前の私。

下書きには残ってなかったけれど、猫の親子が主人公で、人間の愚かな行動を親猫が子猫に説明する、という読み物なんてどうだろう、って考えてたことも思い出して、なかなか気恥ずかしい。

きっと「物言う男」というステータスを手に入れて、何者かになりたかったのだ。

ひとしきり感傷に浸ったのちに、妖怪と化しそうなくらい置き去りにして無碍むげにしてきた10年前の下書きたちには消えていただいた。

下書きは全部で25件程度、まだ20件以上残っている。心が落ち着いている時にでも一つひとつ開いてみて、成仏していただくようにしよう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?