見出し画像

バンドマンパパのドタバタ起床戦記 episode2

妙だなと思ったのは、第二子が生まれてから数ヶ月が経った頃のことだった。

どうも、おかしい。

何かがおかしい。

妻が、ものすごく、熱を出すのである。

ちょっと動くと熱がでる。しかも、39度超えの結構な高熱。頻度も高く、週に一度か、隔週か。季節も真冬で、毎度インフルじゃないかとか大騒動になる。乳児と小学校入学前の子どもふたりをかかえ、生活がどうにもこうにも成り立たない状況。

3月、少し暖かくなったころに、厄落としと称して、八ヶ岳に二泊三日の小旅行に繰り出したのだった。

星野リゾート、リゾナーレ八ヶ岳だ。これが家族連れに優しくて、素晴らしかったこと!という話はまた後日改めるとして。印象に残ったのが、朝食ビュッフェでの会話だった。

バナナと小松菜のスムージーを美味しいとお代わりする妻が妙に顔を輝かせていた。普段から、これぐらい野菜がとれたらいいのにねー、なんていいながら、カパカパとグラスをあけている。

そこでふと気になったのが、彼女の栄養状態だ。

ちょうどそのころ、「働く細菌」なる漫画を読んだ直後だった私には、ピンときた。彼女の体内には、食物繊維が不足しているのではないか?と。

聞けばやはり、朝は食欲がないからコーヒーと甘いもの。昼も面倒だから甘いもの。夜だけは家族みんなで食べるから、それなりにバランスよくはするが、ダイエットを意識して控えめに。

私は確信した。彼女が必要としているのは、いたわりの気持ちでも、睡眠時間でも、優しい言葉でも、家事育児のシェアでもない。や、それはそれで、あった方が、いい。しかし、いまこの瞬間に、最も肝心なのは食物繊維なのだ・・・ッ!

旅から帰ってから、私は「朝、とにかく毎日欠かさずスムージーを作る人」になった。東に美味しいスムージー屋さんがあると聞けば飲みに行き、西に良い材料を売る八百屋があると聞けば買いに行き、とにかく野菜やら果物やらをすり潰しては、撹拌し、妻に提供し続けた。

最初のうちは、分量もバランスも勘が働かないので、ちょっと変な味のものも作ったりしたものだが、あれから一年、ほぼ毎日続けているうちに、大分味は安定した。

始めて一ヶ月ほどで、明らかに効果はあらわれはじめた。

まず第一に、彼女の機嫌がよくなった。

第二に、肌が整った。

第三に、胃腸の働きが安定した。

熱を出すことが明らかに減るまでには、半年ほどかかっただろうか。しかしそれよりなにより、一番良かったのは、機嫌が良くなったことだ。それはきっと、栄養を摂取するということだけじゃなくて、いわゆる毎日工夫してプレゼントする、という行いによるところもあるのだと思う。機嫌が良いと寝起きが良くなる。寝起きが良いと動きが、色々な支度の連携が良くなる。

あまりの効果の絶大さに、スムージー屋さんを起業する企画書まで書いてしまった。まだやってないけど。

この話の教訓をまとめると、こういうことだ。時間的な効率性だけを考え、朝の登校・出社に対してこのスムージー作りは、手間が増えるので、マイナスの効果がある。しかし、そこをあえてやることで、回り回って、それを補って余りあるプラスを生んだ。

最後に断っておくが、これは、私が愛妻家だからやったわけではないし、ましてやイクメンになろうとしてやったことではない。ただ、生活が成り立つための基盤を整えたかっただけだ。そこで、スムージーという素晴らしいものと出会えた。やれOLさんみたいだとか、健康意識高い系だとか、色々言われているが、そんなことはどうでもいい。声を大にして言いたい。小さなお子さんがいる共働きパパのみなさん、スムージーです。スムージーを、作るのです。と。

最後に、おすすめのレシピを紹介して、本稿を終えたい。それなりに色々試して失敗も潜り抜けてきたので、それなりにそれなりなレシピの自負はある。

夏向け冷んやり・・・バナナ、冷凍キウイ、リンゴ、スウィーティ、小松菜、パセリ、ライム、生姜     お好みでパクチーを加えても美味しい。

冬向けあったか・・・りんご、みかん、にんじん、甘酒   ミキサー後、鍋であっためて。カルダモンとかシナモンのパウダースパイスを加えても美味しい。

(ようへい)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?