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映画やドラマ 少し音楽

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素敵な作品たちと出会ってきた。そんな作品たちとの問わず語り。
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ノンマルト

「ウルトラセブン」。その第42話に名作「ノンマルトの使者」がある。 ノンマルトとは、僕ら人類の誕生以前に隆盛を極めた「前・地球人」。彼らは、僕ら人類の祖先に追われて今は深海にひっそりと暮らしている。 ところが人類は、その深海をも開発しようとして彼らと衝突する。もう、人類は「前・地球人」を深海に追いやった経緯をすっかり忘れてしまっていて、ノンマルトは、ただの異星人。開発を邪魔だてする悪者。しかしM78星雲からやってきたウルトラセブンは、その「過去」を察し始め、ノンマルトを殲

角川映画

若い世代の方は、あの頃の「角川映画」の勢い…たぶん想像がつかないと思う。「セーラー服と機関銃」=薬師丸ひろ子さん(1981年)。「蒲田行進曲」=風間杜夫さん、平田満さん(1982年)… あの頃の大衆文化は「角川映画」以外の部分は全部、空白だったといっても過言ではないくらい。 とにかく、ものすごい情報量がマスメディアを席巻した。 テレビCMをバンバン流し、雑誌にパブリシティを展開し、原作本を本屋さんの店頭に平積みにしてメディア・ミックスな発信。すでに1977年には映画「人間

1961年公開の映画

特技で円谷英二監督が参加されているから、そういう意味では特撮映画なのかもしれない。主演はフランキー堺さんと乙羽信子さん(ご夫婦役)、その長女が星由里子さんで、彼女の恋人で若き船員役に宝田明さん、脇を固めるのは、山村聰さん、東野英治郎さん、笠智衆さん、上原謙さん(加山雄三さんのお父さん)などなど、当時、いわゆるオールスターオールスター・キャストで製作された作品だ。 映画「世界大戦争」(東宝) 1961(昭和36)年10月に公開されたこの映画は、東西冷戦の中、ついに両陣営によ

メジャーな映画から「巨匠」って、もう生まれないような気がする。メジャーな映画はもっと「消費材」になっていくと思うんだ。

傷だらけの天使

ときどきCSやUHF局などで「傷だらけの天使」が再放送される。 1974年からの放送、全26話。すでに伝説となっているTVドラマが、今になって観ると、出口のない「下流社会」に生きる若者たちを描いたドラマでもあったな、と。 (1974年当時は、そんなふうに観ることはできなかった) 学歴もなく、老後なんて気にする必要があるかと思えるほどに「死」は隣り合わせ。いつだって誰かに利用されながら、でも、もがきながらも懸命に生きている。ずる賢くなく、まっすぐに生きていく若者たちの悲劇と

このまま死んでしまいたい

曲名「アカシアの雨がやむとき」 アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい 夜が明ける 日がのぼる 朝の光のその中で 冷たくなったわたしを見つけて あの人は 涙を流してくれるでしょうか この詞を書かれたのは、故・水木かおるさん。1960年代の歌謡史を語る上で、外すことができないといわれている大ヒット曲(1960年発売)。藤原秀行さんがおつくりになられたメロディーも、また、この歌を唱われた西田佐知子さんの声や、感情を押し殺したようなソリッドな歌唱法も含め、どーんと悲し

リアルというフィクション

2001年のその日、僕は前の晩から仕事をしていて朝を迎えていた。つけっぱなしだったテレビが、1機めが貿易センタービルに突っ込んだあたりで速報体制に入り、奥さんを起こして、ベッドの側のテレビをつけたとたんに2機めが突っ込んだ…最初は、たんなる航空機事故と思っていたのだけれど、どうもそうではないと思った瞬間、僕は、劇場版の2作目「機動警察パトレイバー 2 the Movie」を思い出していた。 「機動警察パトレイバー 2 the Movie」は1993年の作品。 物語は、とあ

愛のスカイライン

1972年かぁ… 僕はまだ小学生だ。 紛れもなくターゲットは団塊の世代だろうな それにしてもこの気だるい雰囲気は何だろう… 連作のCM でも「三太郎」ほどストーリーの連続性はない。 だから、一概に「気だるい」とばかりはいえないし 「お茶目」な印象に、仕上がってるのもたくさんある。DVDが出るまで(BDがあるのかも確認)知らなかった。全く記憶にないもの多数。こんなにバージョンがいっぱいあるなんて思ってもみなかった。 (小学生だったしね) でも、BUZZさんの切ない唄い方は

センセイの鞄

下に写真は、WOWOWで製作され、2003年の2月(もう20年前か)、フジテレビのスペシャル枠で放送されたTVドラマ「センセイの鞄」DVDのジャケット。 川上弘美さんの原作も人気作ですし、漫画にも、舞台にもなっているようでだけど、僕は、このドラマ版が一番好き。久世光彦さんらしい演出、筒井ともみさんらしい脚本。オーケストラのような重厚に過ぎる感じのない、カルテットな感じで奏でられた名作だと思っている。 それにしても、まさに、この物語こそが、小料理屋か居酒屋的店舗の妙というの

YEN-TOWN

1996年の公開だから、もう軽く四半世紀も前の映画になる。いわずもがなの岩井ワールド。岩井俊二監督の「スワロウテイル」。 バブルはとっくにはじけていて「空白の90年代」のまっただ中(その後、「空白の30年」になると思っていた人はいなかったろうけれど)、すでに「円」という通貨にかつてほどの迫力がなかった時代。だから「円」の強さに、内外から人々が引き寄せられてくるという設定に、ちょっと違和感があったんだけれど、岩井監督が言いたかったことは、そんなことじゃなかったんだと思っている

明日があるさ

いつもの駅でいつも逢う セーラー服のお下げ髪 もう来る頃 もう来る頃 今日も待ちぼうけ 明日がある 明日がある 明日があるさ ぬれてるあの娘こうもりへ さそってあげよと待っている 声かけよう 声かけよう だまって見てるボク 明日がある 明日がある 明日があるさ 1961(昭和36)年生まれの僕でさえ、うる憶えな、楽曲「明日があるさ」の一節。作詞は青島幸男さん、作曲は中村八大さん。歌唱されたのは坂本九さん。旧いっちゃあ旧いんだけれど、1963(昭和38)年の年の瀬に、この曲が

映画「BULL DURHAM」

DURHAM(ダーラム)はアメリカ合衆国ノースカロライナ州に実際にある街。昔はタバコ、今はデーク大学を中心に、ちょっとハイテクな街で人口は180〜190万人ほど。案外、大都市。 この映画の邦題は「さよならゲーム」、原題は「BULL DURHAM」。ブルズというダーラムに本拠を置くマイナーリーグの野球チームの話。これも実在するチームで、タンパベイ傘下の3Aのチーム。マイナーとはいうものの、実際のブルズは、日本人からは、そうは見えないチーム。 でも映画の中のブルズは牧歌的な雰囲

映画と戦争

「映画ファン」というほど映画を見ているわけではない。でも、それなりに映画を観てきて、サスティナブルにゾッとしたのは、映画「ゴジラ」の第1作目。その東京が炎に包まれる場面だったんじゃないかと思っている。 1954(昭和29)年に公開された第一作めの映画「ゴジラ」は、全国で焼夷弾空襲が繰り返された1944(昭和19)年から翌45(昭和20)年。東京の下町を焼き尽くした東京大空襲は1945年の3月というタイミングでの公開だった。 つまり、映画の臨場感は、CGやSFX的な技術力の

言うなかれ 君よ 別れを

久世光彦さんがお亡くなりになったのは2006年だったろうか。前日に、ある俳優夫妻とお食事をされ、とてもご機嫌でお帰りになった、その翌朝の急死だったと記憶している。 1961年生まれの僕は、「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「悪魔のようなあいつ」「ムー一族」「刑事ヨロシク」…僕らの世代は、小、中、高校と、ずっと久世さんの演出されたドラマを楽しみに育ってきた。 でも、個人的に言えば、平成に入ってから(ということは、こちらも相応に歳をとってからの)、新春あるいは終戦スペシャルという