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【和訳その他】戦争・軍事・安全保障

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戦争・軍事・安全保障に関する各種英文情報の日本語訳や紹介、内容要約
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2023年5月の記事一覧

【報告書紹介】 “肉挽き器: ウクライナ侵略2年目のロシア軍戦術” (Meatgrinder: Russian Tactics in the Second Year of Its Invasion of Ukraine, by Jack Watling & Nick Reynolds, RUSI, 19.05.2023)

【報告書紹介】 “肉挽き器: ウクライナ侵略2年目のロシア軍戦術” (Meatgrinder: Russian Tactics in the Second Year of Its Invasion of Ukraine, by Jack Watling & Nick Reynolds, RUSI, 19.05.2023)

2022年のロシア軍損失の大きさに、NATO型システムとの戦闘も加わり、ロシア軍には戦前ドクトリンからの逸脱が生じた。このレポートでは、ロシア軍の戦術的適応とそれがウクライナ軍に与える課題のアウトラインを示すことを目的とする。

歩兵

大隊戦術群(BTG)という統一された編制から、任務別編制に変更されている。具体的には、戦線保持部隊・強襲部隊・専門部隊・使い捨て部隊となる。

戦線保持部隊は前線

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【論考紹介】 ウクライナ攻勢のその先に向けて: 長期戦に備えた軍事力整備を進める必要性が西側にはある (Beyond Ukraine’s Offensive: The West Needs to Prepare the Country’s Military for a Long War, by Michael Kofman & Rob Lee, FOREIGN AFFAIRS, 10.05.2023)

【論考紹介】 ウクライナ攻勢のその先に向けて: 長期戦に備えた軍事力整備を進める必要性が西側にはある (Beyond Ukraine’s Offensive: The West Needs to Prepare the Country’s Military for a Long War, by Michael Kofman & Rob Lee, FOREIGN AFFAIRS, 10.05.2023)

マイケル・コフマン氏とロブ・リー氏によるウクライナ支援のあり方についての問題提起。

ウクライナ反攻とその成否ばかりが注目されるが、重要なのは攻勢後のことを検討することだと指摘。なぜなら、ウクライナ攻勢が最も上手くいく場合でも、一回の攻勢によって、戦争が終わることはないからだ。

ウクライナ反攻が最も順調に進行した場合でも、昨年のハルキウとヘルソン同様に、いずれ攻勢はピークを迎え、新たな消耗期に入

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