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理工系研究人材がAIエンジニアに転向する方法③

こんにちは。
都内でAIエンジニアとして働いておりますpanyasanです。

今回は、

・AIエンジニアに向いてる人とは?
・どのような経歴が歓迎される?
・書類選考や面接でアピールしたいポイント
・転職前にどんな勉強をしておくと有利か?
・自身の面接経験談

といった点についてお話していきます。

AIエンジニアに向いてる人とは?

まず、AIエンジニアに向いてる人には
一言で表現するなら、
"研究好きで好奇心旺盛なタイプ"
になるかと思います。

つまり、
新しいトピックを追い続けることができ、研究遂行能力があり、また勉強し続けられる能力があれば、
AIエンジニアの適性があると考えられます。

AIエンジニアはまだ新しい職種で、まだ経験者が少ない状況でもありますので、与えられたものをこなすというだけでなく、開拓者になる覚悟も必要になります。

”面白いことができれば大変でもチャレンジしてみよう”
と思える性格であれば向いていると思います。

詳しくは前回記事にも書いてありますので、読んで頂けると幸いです。

どのような経歴が歓迎される?

さて、仮にAIエンジニアに転向してみようと考えたとして、
どのようなバックグラウンドが必要でしょうか?

AI転職におけるアピールポイントをわかりやすく点数で表現してみます。
比較のために、既にAI開発の経験がある場合も含めて換算します。
※あくまで私の独断と偏見ですので参考程度にして頂けると幸いです。

※最大10点で合計値で評価
機械学習の研究実績が複数ある     ・・・ 10点
機械学習でないが理工系博士号持ち   ・・・   7点
大学院で機械学習の研究をしていた   ・・・   5点
AI開発の経験が2年以上ある     ・・・   5点
機械学習でないが理工系大学院卒    ・・・   4点
E資格を取得している         ・・・   3点
出身大学がブランド校         ・・・   3点
データ解析・数値計算の経験がある   ・・・   2点
非AIエンジニアの経験が1年以上ある ・・・   2点
G検定を取得している         ・・・   1点
非エンジニアとしてPython歴1年以上  ・・・   1点
数物系の学部を卒業している      ・・・   1点
実は文系の出身です          ・・・ −2点

点数にするといやらしい感じになりますが、おおよその評価基準を確認して頂けるといいかなと思います。(7点くらいあれば見込み有かもしれません。)
あくまでディープラーニングのAI開発を行う能力値で考えた場合ですので、AI開発のアプリ側で働く場合やデータサイエンスの仕事の場合はまた異なった基準になると思います。
また新しい職種でポテンシャルも重要なポイントになるので、
若い20代の方が評価は高くなると思います。

この評点のポイントですが、
・研究経験や数理能力が重視されるということ
・非AI開発経験が必ずしも高く評価されないということ
・学歴がある程度考慮されるということ
という点を重要視しています。

AI研究は現在急速に進歩していますので、経験値より常に知識やノウハウを更新していける能力が重視されます。
また、AIのフレームワークを使いこなすスキルはさほどハードルが高くなく、基礎学力のある方が真剣に勉強すれば2~3カ月でこなせてしまうので、長い目で見るとプログラミング経験の差はほとんどなくなってしまうであろうことも注意した方が良いと思います。

ただし、エンジニアとしての仕事スキル、
例えばお客様と話し合いを行って仕事の擦り合わせを行うコミュ力は
AI開発能力以外の面で重要となります。

書類選考や面接でアピールしたいポイント

これらを踏まえ上で、応募の際のキャリアシートなどで書いておいた方が良いことは、
・掲載された論文のタイトル
・AI資格や数理系の基礎能力を証明できる資格
・数値計算などの科学技術計算の経験があること
・数学やプログラミングが得意であること
・Pythonで数値処理のライブラリ使用経験があること
が挙げられます。

面接の際のアピールポイントも同様になります。
つまり、
・数学に対しての耐性があること(大学の理系教養レベルが苦なくこなせれること)
・Pythonを用いたプログラミングが出来ること
・基本的な勉強能力があること
・学術論文が読めること
をアピールするといいと思います。

面接の際に期待されることは、AI開発の実務について詳しいということでなく、
・AIエンジニアに性格的にあっているか
・AIモデル開発を行える基本的なプログラミングスキルがあるか
・データ解析や学術論文を苦にしないか
(+α 企業文化とのマッチング)といった点なると思います。
さらにkaggleの経験などもデータ前処理の経験になるので、
アピールしてもよいかもしれません。

もしかしたら、面接では自分の持つスキルや専門性をアピールしたいと思って理論武装したいと思う場合もあるかもしれません。
しかしAI領域はまだ新しく発展途上ですので、既存の知識・経験だけでその後を乗り越えられる可能性はかなり低いです。
現状のスキルをアピールすることだけでなく、吸収力や伸びしろを見せることも重要となります。入社後すぐに知るようになるであろうことに詳しくないことは気にしなくてよいのではないかと思います。

またアカデミック色の強い方であれば、協調性があるかどうかを問われる可能性がありますので、チームでの作業経験があること、
エンジニアの経験があれば、お客様とのコミュ力があり、他職種のエンジニアとの連携が取れること、
をアピールポイントするの良いかと思います。

一方、AIプログラミングスクールなどに通っていて、チュートリアル程度のAIモデル開発ができる場合はそれも勿論アピールできます。
AIのプログラミングスクールで習うことやE資格取得のために勉強する内容などは、入社後に研修などの形で結局やらなければならなくなります。
入社後に満足な研修が受けられない可能性もありますので、転職活動の段階で取り組んでおいた方がスムーズかもしれません。


次に、AI転職前に勉強しておいた方が良いことをお話しします。

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