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理工系研究人材がAIエンジニアに転向する方法④

こんにちは。
都内でAIエンジニアとして働いておりますpanyasanです。

今回は、

・未経験からのAI開発デビュー!?
・AIエンジニアとしての初仕事
・AI開発の現場でまず困ること
・AIエンジニアが行う"実験"について
・AI開発の現場の雰囲気

といった点についてお話していきます。
今回が最終回となります。

前回の記事はこちらになります。

未経験からのAI開発デビュー!?

晴れてAIエンジニアとして採用されたらもう安心だ!!
と思いきや、本当の勝負はこれからです。

AIエンジニアとして定着しなくてはなりません。

ここからは、自身の体験談をベースに
"AI採用のその後"についてお話ししていきます。

晴れてAIエンジニアに採用されて、
心はウキウキです。

読んでいた参考書を読み直してみたり、
ちょっと難しい専門書に手を出してみたり、
格好つけて論文読んでみたり‥
AIモデル開発を自分がしているときの様子を想像します。

採用後はまずはじめにAI開発の研修を受けます。

基本的なPython文法はある程度わかるものとして、フレームワークを使ってAIコーディングの仕方を学びます。

どのフレームワークを使うにせよ、
はじめは教科書で学んだ理論との対応が取れず戸惑いますが、
それも1〜2週間程度で慣れます。

最終的にはMNISTCIFAR-10でモデル開発ができれば完了でしょう。
その後、AI開発を実際に行なっていくことになります。

AIエンジニアとしての初仕事

AI研修は終わりましたが、
その後いきなり単独でAI開発に行えるということはありません。

まず、
・アノテーション(ラベル付)のお手伝い
・作成済みスクリプトの動作確認
・学習済みモデルの評価業務
・GithubのスクリプトでPoC
のうちのどれかをこなすことになると思います。

この内自分はGithubスクリプトでPoC
作成済み学習スクリプトの動作確認を経験しました。
因みにPoCはProof of Conceptと呼ばれる
"お試しモデル開発"の意味を持ちます。

これらは現場研修の様なもので、
この時期にチュートリアルと実際のAI開発の間の難易度の差を実感して、
想像とのギャップを埋めておきます。

AI開発の現場でまず困ること

チュートリアルを経験した後にAI開発を実際に行うと、
そのギャップに多くの方は驚くと思います。

まず、 ITエンジニア未経験の場合は
AnacondaやDockerを使用した仮想環境の構築に困ります。
これは仮想環境構築に不慣れなだけでなく、
ライブラリのバージョン違いなどでしばしば動作不良を起こすことが背景にあります。

例えば、以下の様なエラーを経験します。
・PyTorchインストール時のCUDAバージョンの選び方
・深層学習とかでのPythonエラー

この様な環境構築の際のバージョン違い問題は
他の方が書いたスクリプトを利用する初期に特に苦しめられます。
自分でバージョン管理したり、よく出るエラーを知っていく様になると次第に気にならなくなりますが、
はじめはうまく動作しないことにストレスを感じます。

さらに、チュートリアルと異なり実際の学習スクリプトは
多数のPythonライブラリを使用するため、
かなり複雑に感じるかと思います。

これらは"AI開発における技術力"
の問題であり、
人によっては全く苦にしないと思います。
しかしながら、例えば研究キャリアからの転向した等、
開発未経験の場合は苦しむことになるだろうと思います。

しかしながら、AI開発で求められる技術力は
決して高くはないので、
それも半年くらい経つと気にならないものになります。

私自身この点にかなり悩みましたが、乗り越えてしまえば問題ないですし、
最終的にAI開発ではロジック部分の理解度がモデル精度に結びつき、研究スキルの方が重要になりますので、
慣れるまでは不自由でも我慢することになると思います。

AIエンジニアが行う"実験"について

AI開発に必要な基本的なスキルが身に付いてきたら、
いよいよ自力でモデル開発をしなければならなくなります。

AI開発では時間の大部分は"実験"に費やされることになります。
ここではその実験についてお話しします。

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