海外進出する時、商品のネーミングで気を付けたいこと
日本で売られている商品は、英語、フランス語、イタリア語など、 外国風の商品名がついていることが多いですが、それはそうした名前がエキゾチックで格好いいイメージを求める 消費者のニーズに合うからなんですね。
でも、例えばフランス語名の商品をヨーロッパでそのまま販売して受けるかといったら、もちろんそうとは限りません。むしろ、文法的に間違っていたり、現地ではまず使わない表現だったりして、国内市場で期待されるイメージとはかけ離れたイメージになってしまう可能性があります。
消費者は商品の機能やデザインだけでなく、名前も含めたイメージに対してお金を払うからなんですね。
では、海外向け商品にはどのような名前を付ければよいのでしょうか?
「Made in Japan」らしい名前とは?
もし「Made in Japan」をアピールしたいのであれば、当然、日本の商品と認識してもらえる名前を付けますよね。
よくある手法は、商品名やブランド名に「Japan」を入れるというもの。
こうすると、はっきり日本製とアピールできますが、他社とかぶってしまう可能性が高くなる上、オリジナリティが出しにくくなります。
では、どのようにすればターゲット市場の消費者に “日本の商品” と認識してもらえるのでしょう?
それには、彼らがどのような日本語を知っているのか、どんな “音の響き” なら日本語と認識してもらえるのかを調べる必要があります。
例えばヨーロッパでよく売れている弁当箱に、「UMAMI(うまみ)」というシリーズがあります。販売者はドイツの業者で、弁当箱自体は中国産ですが、「うまみ」はこちらでも結構浸透しつつある概念なので、「日本の商品」と認識され(てしまい)ます。
日本人からすると、ちょっと変な名前という印象ですが、要はその市場の消費者が「クール」「日本っぽい」と思ってくれればいいんです。それは現地の消費者の感性ですので、その国で売れている日本製品の名前をリサーチしたり、現地の方に意見を聞いてみたりされるとよいと思います。
…なお、実際には日本製でなくても、日本製に見せかけた商品はヨーロッパでも多く流通しています。正直悔しい!と思うことは割とありますが、事実上、消費者に「日本製」と思わせれば勝ち、なのが現実です。
発音しやすい、短めの言葉に
文字数の面から言うと、多いよりは少なめが良いです。日本語の音でいうと、3~4文字におさまる程度がおすすめです。
英語を勉強するときに置き換えてもらったらわかると思いますが、
長い外国語の言葉って、なかなか覚えられません。
特に、発音がむずかしいとなおさら記憶に残らないんですね。
なので、文字数は少なく、ターゲット市場の言語で正しく発音してもらえる言葉がベストです。
世界的に有名な企業の名前って、短くて読みやすいものが割と多くありませんか?例えば、
Sony
Apple
Honda
など。
多分、Sonyってどの国の人が読んでもソニーになるんじゃないでしょうか。
もし長い場合は、省略バージョンがあるといいです。
例えば、米国の大手コンピューターメーカーにヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)というのがありますが、日本人的には結構難易度の高い名前じゃないでしょうか。「なにそれ?」という方もいらっしゃるかもしれません。でも、「エイチ・ピー(HP)」だと「見たことがある」という人が多いでしょう。
さらにいうと、拗音や促音は、撥音しにくい外国人が多いと思いますし、母音が二回続く場合も、日本のようにローマ字読みしない国だと、発音がまちまちになってしまいます。(例えば、ドイツ語で「EI」は「アイ」と読みます)。
ですので、いくつか名前の候補ができたら、複数の言語でどう発音されるのかを、現地の方にお願いして発音してもらうとよいでしょう。さらに、妙な意味のある言葉に紐づけされないかどうかも、合わせてチェックして下さい。
言葉の意味は、多言語にて要チェック!
妙な意味のある言葉に紐づけされてしまうと、後々大変です。
一例をあげるとすると、皆さんがご存じの車のパジェロ。
スペイン語で「Pajero」は、人を罵倒するときに使われる言葉だったりします(どんな意味なのかは、各自でお調べください^^;)。なので、スペイン語圏では「Montero」という名前で販売されています。
スラングなどは辞書で調べても載っていないケースがありますから、
一度は母国語話者に確認されることをお勧めします。
日本人になじみのある英語だけを基準にしたり、なんとなく格好いいと思う響きで名前を選んでしまうと、思いもよらない意味になってしまうことがあるので、その商品を売りたい国でどんな印象を抱かせるかを、ぜひ事前にお調べくださいね。
今の時代はSIRIやGoogle音声認識等、オーディオサーチ機能の登場によって、検索時にキーボードで入力する必要もなくなってきましたので、読みやすい名前はこれまで以上に重要になってくると思います。
良い商品を見付けた時は、友人や知人に話したくなるものです。
ぜひ、口コミで伝わりやすいネーミングを考えてみてください。
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